裏金は「言われた通りにやっただけ」…丸川珠代と「夫婦で不記載」大塚拓前議員“無反省挨拶”の中身

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岸田さんヤバすぎる

 そんな大塚候補の、裏金問題への“本音”をよく示す音声がある。大塚氏は7月30日、選挙区内にある埼玉県毛呂山町の、さる商店街組合の総会の場で挨拶に立った。

「この時、裏金問題について、無反省と聞こえる発言をしたり、石破総理や岸田前総理に対して辛辣な発言を行ったりした。これには眉を顰めた人も多く、地元では話題になりました」

 当時はまだ岸田前総理が9月の総裁選に出馬するか否かがわかっていなかった時期である。大塚氏は天候、物価高、トランプとハリスの経済政策など、取り止めのない話題を続けた後、総裁選の話に移り、岸田首相(当時)の党内での立ち位置についてこう述べている。

〈もう岸田さん、ダメだな、ヤバすぎるというのは共通の思いでありまして…〉

 なぜかと言えば、

〈岸田さんは(党内の議論の手続きを)完全に無視するんですね。意見が割れそうな時に会議に付さない。会議でちょっと異論が出始めたら会議、パパッとやめさせちゃって、で、裏でこれをちょっと決めちゃうっていう感じです。そもそも意見を聞く前に勝手に総理がパラッと会見で言っちゃうとかですね〉

〈(岸田総理を)ダメだと思いつつ、でも何とか支えて帳尻合わせるにはどうすりゃいいかということでみんな知恵を使っていたわけですけれども、もう決定的にこれダメだなって思ったのは政治資金問題で、私も正直、相当やられたたちだと思うんですけれども…〉

 ここから自らの「裏金」問題についての弁解が始まるのである。

言われた通りにやっただけ

 大塚氏は言う。

〈パーティーの売り上げってのがあって、派閥からノルマがあって、超えた分は戻ってくると、こういうルールでずっとやってて、このお金の流れ自体、何の違法性もないんですね。ただ、この戻すところで派閥が帳簿に書かなきゃいけないと。で、これが罰則付きでルールがあったんだけど、これをやってなかったところが唯一の問題なわけです〉

 自身の政治資金の処理については、以前から選挙管理委員会に相談していたと言い、

〈指導された通りにずっと処理してきてるんですね。で、選挙管理委員会が言うことが一回途中で変わったこともあって、自民党のコンプライアンス室にどうすりゃいいんだと言ったら、言われた通りにやってくれということでやっているわけです。それを今回、問題だと言われたわけです。党に相談して、やれって言われた通りにやって、問題ってどういうことだとこっちは思うわけです〉

 要は選管や党から言われた通りにやった。自分は悪くないと開き直っているわけだ。

 不記載が発覚した議員は政治資金収支報告書の訂正に追い込まれた。大塚候補も例外ではない。そして訂正を行った議員は、市民団体による刑事告発の対象になった。

 大塚氏はこれを、「相手(=市民団体)の網にみんなでハマりに行くみたいな感じ」と表現し、

〈なんでこういうことになったのかなというのをおかしいと思って後から調べたら、わかったのは岸田総理をはじめ執行部で本件がグズグズすすり始めた頃から、これは安倍派のせいだということにして、安倍が集中砲火して他は関係ないんですと、処理しようということを意思決定していたということがわかってしまいまして…〉

 当時の執行部の策略にハマったと言いたげなのである。

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