「メジャー球団の懸念は年齢よりも、むしろ……」 35歳「菅野智之」メジャー挑戦 専門家が明かす“最大のリスク”とは

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2020年の不運

「菅野さんの実力は折り紙付きなので、メジャーでも充分に通用します。獲得に意欲を示す球団は多いでしょう。ただし、ケガのリスクを考えると、長期契約をオファーする球団はないと思います。参考になる契約はFAになっていた前田健太さんがタイガースと結んだ2年総額2400万ドル(約35億4000万円)です。これと同程度の契約を提示され、菅野さんが受け入れるかどうかがポイントになるのではないでしょうか。もちろん代理人は出来高など条件闘争を仕掛け、少しでも菅野さんに有利な契約にしようとするはずです」(同・友成氏)

 当時も話題となったが、菅野は一度、メジャー球団と交渉を行ったことがある。2020年12月、ポスティングシステムによるメジャー挑戦を申請し、受理された。年末には6球団と交渉を行っていることが報道で判明し、翌21年の正月に渡米した。

「ところがポスティングは不成立となり、菅野さんは巨人残留を決断しました。この時は非常に不運で、新型コロナウィルスの猛威で球団の財政が圧迫。充分な条件が提示されなかったこともあり、菅野さんは断念せざるを得なかったのです。また今オフのFA市場は実力派の先発投手が目白押しで、菅野さんには逆風となります。一方、ここ数年の日本人投手は安定して実力を発揮しており、高く評価されています。日本人投手は真面目で首脳陣の指示に従い、制球力や守備力が抜群です。菅野さんが日本人投手だということは相当な追い風となるでしょう」(同・友成氏)

捕手で選ぶならパドレス

 スポニチアネックスは10月15日、「江川卓氏 巨人・菅野がメジャーで成功する条件は捕手『日本では小林さんとうまくいっていた』」との記事を配信した。

 元巨人の投手で野球評論家の江川氏は菅野の持ち味を《コンビネーションで打ち取るタイプ》とした上で、それを活かすも殺すもキャッチャー次第だと指摘した。

「菅野さんの投球スタイルと最も相性がいいメジャーのキャッチャーは、パドレスのカイル・ヒガシオカさんではないでしょうか。ダルビッシュさんの女房役としても知られますが、コーナー四隅の配球が見事で、非常に頭脳的なリードです。菅野さんの多彩な球種を活かしてくれると思います。ですが、菅野さんの獲得に最も意欲を見せるのは、私はメッツだと予想しています。なぜなら先発の投手が最大で3人、メッツからFAで他チームに移籍すると見られているからです。補強は急務ですし、メッツは金持ち球団でもあります。菅野さんが納得できる条件を提示する可能性が高いのではないでしょうか」(同・友成氏)

デイリー新潮編集部

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