新庄監督退任で稲葉氏に“不測の事態”でも…「名将スタンバイ」で候補メジロ押しの球団事情

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稲葉2軍監督は「既定路線」だが

 今年のレギュラーシーズン終了後、新庄監督は「今後の戦い方次第で完全燃焼したら責任を果たしましたってなるかもしれない。やり返したろと思ったらまた(来季続投も)ある」などと語っていた。CSファイナルステージの敗退は後者を選択させるような内容だったこともある。

 しかし、そこは独特の感性で、これまでもあっと驚かせてきた新庄監督だけに、完全には退任の線を消せない。それでも、退任の場合は稲葉篤紀2軍監督(52)の1軍監督昇格が既定路線になっている。新庄監督が就任した21年オフの登板も取り沙汰され、21年東京五輪で日本代表の指揮を執り、五輪史上初の金メダルに導くなどハクは申し分ない。

 その一方で稲葉2軍監督はたとえ監督就任に至っても長期政権を望めないケースが想定されているという。かつて一部週刊誌が報じたパワハラ問題で物議を醸した夫人の件で懸念が消えていないからだ。

「チーム内の一部ではいまだ尾を引いている問題で、いまだに『稲葉が監督になるなら出て行く』という選手がいるそうです。食品メーカーとしてはイメージも大事で、21年オフのように球団が躊躇するところはあるでしょう。新庄監督がもう数年、チームを率いるなら、このまま稲葉監督が幻になることさえあるかもしれません」(NPB球団元監督)

中嶋氏こそ本命か

 それでも監督の候補者に事欠かないのが日本ハムだ。稲葉氏が就任できなかったり、短命に終わったりしても中嶋聡・前オリックス監督(55)がスタンバイしているとみられる。

 日本ハムに選手、コーチ兼任選手として04~18年に在籍。引退翌年の16年からはパドレスに2年間のコーチ留学。かねて将来の指導者候補として日本ハムからはオリックス以上にカネも時間もかけられてきた。日本ハムでともにコーチだった福良良一GMとの縁でオリックス監督を務めたものの、元はと言えば、日本ハムの監督候補の1人だった。

「昨季までパ・リーグを3連覇したことで、サメ(中嶋)の評価は不動のものになりました。ハムなら同じパ・リーグで指揮を執ることになるため、早めに辞めることで冷却期間を設けたとみるべきでしょう。ファンの感情を考えれば、最低2シーズンぐらいはフリーな状態にしておきたいところです。今季の低迷の責任を取ったというサメの言葉に嘘はないと思います。2軍監督から昇格したチームで選手に慣れが出ていると感じたことも、その通りなんでしょう。しかし、いつかは日本ハムに恩返しをしないといけないという思いもあるはずです。まだ50代で、2度目の監督就任の可能性は十分にあるでしょう。福良GMはその辺りの事情をよく知っているだけに、慰留を断念したのではないでしょうか」(元監督)

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