「おすぎ」の死亡届を勝手に提出し…「ピーコ」さん死去 万引き騒動もあった“凄絶同居生活”の全容

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 ファッション評論家、そしてタレントとしても活躍したピーコが9月3日、敗血症で亡くなっていた。享年79歳。双子の弟である映画評論家・おすぎ(79)と共にテレビやラジオで歯に衣着せぬ発言を繰り返し、人気を博していたのをご記憶の方も少なくないだろう。しかしこの数年ほど、2人が表に出ることはほとんどなかった。「週刊新潮」誌は昨年、メディアから消えた2人の姿を詳細にレポートしている。そこには共に認知症となり、お互いを労わろうとしながらも諍いの絶えなかった凄絶な老後生活があった。
(「週刊新潮」2023年5月4・11日号記事の再掲載です。文中の年齢、役職、年代表記等は当時のものです)

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『ピーコ伝』(2001年刊)はピーコ(78)こと杉浦克昭氏の著書である。LGBTQなどの概念がまだ広く認知されていなかった1975年、おすぎこと杉浦孝昭氏(78)との双子のユニットとして芸能界デビュー。共にゲイであることを隠さず、ピーコはファッション評論家、おすぎは映画評論家としてもテレビ、ラジオなどで活躍した。糸井重里氏が聞き手を務め、ピーコの生い立ちなどが赤裸々に語られている『ピーコ伝』の終盤に次のような記述がある。

〈わたしは、ひとに余分な迷惑をかけたくないといつも思っているの。いずれ死んじゃうわけですから。残ったからだは片づけをお願いしなければならないけど、身ぎれいにだけはしていたい。(中略)なぜそう思うのかというと、人目を気にしているからではなくて、自分自身が身ぎれいに生きたい、と強く思っているからです。自分自身でちょっとどこかを律してキレイでいられることで、年寄りくさくならないとか……〉

 自分で自分を律することへの強い思いが伝わってくるが、そんなピーコが現在の自身の境遇を冷静に眺められたとしたらどう感じるだろうか。テレビの中で繰り広げられていた、おすぎとの丁々発止のやり取りとマシンガンのごときトーク。それとは打って変わった二人の「現在地」を巡っては、全盛期を目撃した多くの人が悲哀や寂しさに似た感慨を抱くのではなかろうか。

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