「秋篠宮家バッシング」を紀子さまはどう受け止めているのか 宮内庁関係者は「皇位継承」に支障がでることを危惧

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ロードマップは示されず

 2年前の2022年10月、紀子さまが少なからず衝撃を受けたと囁かれる書籍が、出版された。『愛子天皇待望論』。筆者は著書も多い元大学教授で著名評論家の副島隆彦氏である。

 ジェンダーフリーが浸透し、世界の王家の潮流も男子継承から男女差のない長子継承へと舵が切られる中、愛子さまの皇位継承を望む声が盛り上がるのは自然の成り行き。だが紀子さまの心は穏やかではないことも容易に想像がつく。

 宮内庁元職員は「佳子さまのご誕生は1994年。悠仁さまは06年です。実に12歳の差がおありです。悠仁さまのご懐妊は紀子さまにとって一大決心だったはず。皇室の将来のために一肌も二肌も脱いだというご自負がおありでしょう」とした上で、こう指摘する。

「その悠仁さまが、眞子さまのことで逆風下にある秋篠宮家の一員としてトバッチリを受け、皇位継承にストップがかかる事態だけは『絶対に避けなければならない』というのが紀子さまの本音でしょう」

 つまりそれは「やはり秋篠宮家より天皇家」との風潮になり得るからだ。

 未婚の女性皇族は現状、天皇家の長女・愛子さま、佳子さま、三笠宮家の彬子さまと瑶子さま、高円宮家の承子さまの5人。いずれも結婚されれば皇族ではなくなる。額賀福四郎衆院議長は9月、「女性皇族が結婚後も皇室に残る案については(各党から)おおむね共通認識が得られた」と自信をのぞかせたが、実現に向けた具体的なロードマップは示されていない。5人を含め、皇室メンバーは計17人で、過半数の9人が既に還暦を迎え、さらにうち5人が後期高齢者となられている。減少を続ける皇族数の問題、皇室の先細りは「待ったなしの喫緊の課題」(同関係者)なのだ。

SNS新時代の皇室は

 前出の宮内庁元職員は「紀子さまバッシングが、眞子さまの『気持ちを尊重したい』とおっしゃって以降、苛烈になったことは事実」とした上で、こう回想する。

「旧習を破り民間から嫁入りしたことで美智子上皇后が旧華族出身者や学習院OGらから受けた誹謗や、古い家族観に基づき、雅子皇后にお世継ぎのご懐妊がないことで『外務省出身の元キャリアウーマンだから外国訪問ばかりしたがる』と中傷されたのと似ています。擁護論とそうではない意見と、真二つに割れた点もそっくりなのです」

 別の宮内庁関係者は「誹謗中傷を根拠のない悪口と考えれば、言い過ぎではないかという人も(宮内)庁内には少なくありません」と明かす。SNSを見ても、おおもととなった眞子さんについて「小室さんの母の元交際相手も、一国民。皇族が国民を個人攻撃するのは違和感があった」との声や「紀子さまは悠仁さまを東大に進学させようとしているのでは。皇族が一般国民と、しのぎを削って競争社会の頂点に勝ち上がるというのも違和感を覚える」といった意見は一理あるだろう。

 手話を駆使して公務に励まれている佳子さまも、大学卒業時に「姉の一個人としての(結婚の)希望がかなう形になってほしい」と述べたことで、「公より私を優先するのも違和感を覚える」との書き込みが集中した。また、卒業後はしばらく仕事を控えていたため「ニートと変わらない」と揶揄する声が相次いだ。

「的を射た批判も少なくないのは事実ですが、秋篠宮家バッシングがこれ以上エスカレートしないよう、宮内庁としてお支えすることが大切です」(同元職員)

 雑誌などによる定期的な批判ではなく、1年365日、不特定多数の一般の人から批判にさらされる新時代のテーマがSNS対策だ。天皇の次男家のため、悠仁さまが“帝王教育”を受けていないことが紀子さまの“負い目”となっているならば、新時代のバッシングが「心穏やかに過ごすこと」が難しいのも頷けるだろう。

朝霞保人(あさか・やすひと)
皇室ジャーナリスト。主に紙媒体でロイヤルファミリーの記事などを執筆する。

デイリー新潮編集部

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