25歳で難関検定に最年少合格 女性歴史タレントが明かす「江戸時代」「吉原遊郭」の魅力とは

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堀口茉純が新刊を出版

 歴史タレントとして知られる堀口茉純(41)。江戸を紹介するYouTubeの登録者数は10万人を突破。先日も『大江戸24時 浮世絵で庶民ライフを物見遊山』を出版したばかりだ。25歳の時には、江戸文化歴史検定一級を最年少で取得した。江戸の何が魅力なのか。(全4回の第2回)

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――そもそも、なぜ江戸時代が好きなんですか。

 面白いじゃないですか。

――どの辺りがですか。

 やっぱり、平和な時代だったというところですね。265年間、戦争もなく平和が続いた。明治維新から現代までの160年ぐらいの間にも、何度も戦争がありましたよね。それに比べて、江戸時代は、島原の乱とか多少の戦乱はありましたが、基本的には265年間も平和だったんです。同時代の世界を見ても、なかなかない、奇跡的な時代なんです。

――平和が続くと、何が良いのでしょうか。

 平和だと、文化が発達するんです。戦争がある時は、どうしても戦争に関連した産業や技術が中心になって発展していくんですけど、平和な時代だと、戦争に行く必要がない。自分の明日が保証されているから、今をどう楽しむかに人々が集中できるんです。その結果、庶民が楽しむための文化が豊かに育っていくんです。

――文化とはどのようなものでしょうか。

 例えば、浮世絵であったり、和食、着物、歌舞伎、相撲といった、今も「日本らしい文化」と言われているものの多くが、江戸時代に発達したものです。これは、戦争のない平和な時代だったからこそ生まれた文化なんです。

――江戸時代に対する興味は、いつ頃から持っていたんですか?

 物心ついた時には、すでに興味があったと思います。私、おじいちゃんおばあちゃん子だったんですけど、一緒にテレビを見る時は、時代劇ばかり見ていたんです。水戸黄門とか大河ドラマとかが日常でしたね。特に子供の頃に「独眼竜政宗」が放送されていて、すごく印象に残っています。

大学教授も「合格できない」

――独眼竜政宗は戦国武将として有名ですが、政宗も江戸時代に生きていたんですね。

 そうなんです。政宗は戦国時代の武将というイメージが強いですが、彼も江戸時代を生きた人物です。政宗を通じて江戸の時代に自然と惹かれていきました。時代劇全般が好きでしたが、大河ドラマでいうと、大原麗子さんが出演されていた「春日局」も大好きでした。

――25歳の時に、江戸文化歴史検定一級を取得されていますが、勉強は大変でしたか。

 結構、大変でした。実は、1回目の試験では落ちているんです。検定が始まった年に初めて一級を受験したんですが、その年の合格者はたった2人でした。最初の試験の問題があまりにも難しくて、どうやって勉強したら合格できるのか全くわからなかったですね。二級はすでにもっていたんですが……。

――どんな問題が出たんですか?

 例えば、「赤穂事件(忠臣蔵)で切りつけられた藩主の名前を書きなさい」という問題が出ました。正解は「浅野内匠頭(あさのたくみのかみ)」なんですが、名前を聞いたことがあっても、いざ漢字で書けと言われると難しいんですよね。「タクミノカミって漢字でどう書くんだっけ?」ってなってしまって、その問題を解けなかったのを今でも覚えています。

――確かに、名前を聞いたことがあっても、漢字で書くとなると難しそうですね。その後、どうやって1年間勉強して、次の年に合格されたんですか。

 1回目の試験が終わった後に、ようやく公式テキストが作られたんです。それまではどこを勉強すればいいのか全然わからなかったんですけど、テキストができたことで、そこから何割か、問題は出るだろうという見込みが立ったので、とにかくそのテキストを丸ごと覚えました。それ以外の部分も出題される可能性があるので、そこに向けて参考書や資料をひたすら読み込んで勉強しました。

――検定は、共通テストなどの日本史の受験問題と比べて、どれくらい難しいのでしょうか。

 レベルが全然違いますね。大学受験は教科書の範囲内から出題されますが、検定では、ものすごく掘り下げた内容が問われます。実際、日本史や江戸文化を教えている大学教授でさえ、「これは難しくて合格できない」と言っていたぐらいです。一級を取れるレベルっていうのは、江戸時代に江戸の街を実際に案内できるくらいの知識が求められるんですよ。

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