【貴重写真で振り返る】「釣りバカ」ロケ現場に愛犬とじゃれ合う姿も…急逝「西田敏行さん」が密着取材に明かした「アーティストよりも“職人”を選びたい」

エンタメ 芸能

  • ブックマーク

4月16日

 TBS月曜ドラマスペシャル「刑事(でか)クマさん」の収録打ち上げパーティーでの1枚。2次会へ向かう道中か、共演の小野武彦さんと連れ添って歩いている。

 すでに千鳥足のご様子だが、2次会ではウイスキーをダブルで10杯嗜んだのち、その後、深夜2時に小野さんと共に焼肉へと繰り出した。50歳とは思えないが、「昔はボトル3本とかガブ飲みした」らしい。

 そんな西田さんは、酔うと喋り、歌い、そしておなじみの(?)の“泣き上戸”になってしまう。

「ボーイさんが“お待たせしました"と持ってきただけで、お待たせしましたなんて、優しいなあ、ウッ、ウッと(と手を目に当て)となったら、ピリオドに近い」

4月18日

「ゴルフやってる役者に芝居うまい奴はいないとか、昔、武田鉄矢と言い合ってたんですよ。そしたらアイツ、ゴルフでメシ食ってる映画撮ってるし。前言翻してねえ」

 とマル秘エピソードを披露しつつ、ゴルフの練習場を訪れた際の一枚。取材の時点で20年以上のゴルフ歴をお持ちだったが「一向にうまくならない」。始めたきっかけは、「止まって死んでたボールが、力によってあんなに生き生きと遠くに飛んでまんがな」という西川きよしさんの言葉に、哲学を感じたことだったそうだ。

 記者にも「球がどこ飛んでるか見ててよ、見ててよ」といいながらスイングしていた。

4月19日

 ゴルフの翌日には、愛犬の八兵衛と散歩へ。愛犬との出会いは、「川崎の公園でロケやってるときにね、録音さんが子犬の声を聞きつけて」。段ボールに入れられて捨てられていた6匹のうちの1匹を引き取ったそうだ。

「13年前かなぁ。人間で言えば50過ぎ、オレと同じくらい。男の哀愁を2人で語り合ったりします」

僕は“職人”を選びたい

 養子として育った自身の幼少時代を「ませたガキ」だったと評する。

「どっかで子供の頃に演技性要求されるということがあった。養子に行って、そこでの暮らしの中に幼ない子の知恵として身についてしまった演技性があったかも。それが醸成されたのは否めません。気持ちの中で壁みたいな、ショック・アブソーバー(振動抑制装置)を作っているのがどこかであったかも」

 ハマちゃんのような「いい人」の役のイメージがやはり強いが、

「役の上で“いい人”を演ると、お客さんとしては、やっぱり本人もいい人でいてほしいと思うでしょ。プロならそう思っていただけるようにしなくちゃ。自己己演出のひとつです。あの人がやると何やるかわからないというのがアーティストなら、あの人がやるから何をやってもこうなっていい味だよねというのが“職人”、プロ。僕は日常の中に染み込んでいく“職人”を選びたい」

 その言葉通りの役者人生だった。

デイリー新潮編集部

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。