【貴重写真で振り返る】「釣りバカ」ロケ現場に愛犬とじゃれ合う姿も…急逝「西田敏行さん」が密着取材に明かした「アーティストよりも“職人”を選びたい」

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「ハマちゃん」、「局長」、「池中玄太」、それとも「猪八戒」か――。映画にドラマ、バラエティ番組で多くの「当たり役」に恵まれた俳優・西田敏行さんが亡くなった。享年76。福島県郡山市に生まれた西田さんは、1970年に青年座に入ると、80年の初主演作「池中玄太80キロ」で一躍お茶の間の人気者に。とはいえ、そのイメージを決定づけたのは、88年に第1作が公開された「釣りバカ日誌」だろう。三國連太郎さんとタッグを組み、西田さんが主人公の「ハマちゃん」を演じた同作は国民的人気シリーズとなった。

 そんな「釣りバカ」シリーズの10作目(98年公開)を撮影していた西田さんにカメラが密着。共演者と深夜まで愉快に飲み歩く姿に、愛犬と“語りあう”場面も。まさに俳優として脂が乗り切っていた時期の貴重なプライベートショットで故人を偲びたい。(「FOCUS」1998年4月29日/5月6日号掲載の「フォト日記」をもとに再構成しています)

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4月9日

 北九州で行われていたロケは、この日は雨のため中止に。旦過市場を遊びに訪れた西田さんを、地元のファンたちが取り囲み、握手攻めにした。「釣りバカ」での人気のほどがうかがえる一枚だ。

 同シリーズについて「ギャラより賛辞が嬉しい。笑った、スッキリしたと言われることが。それだけを心の支えに10年」と語る った西田さん。“スーさん”を演じた 故・三國連太郎と共に、今ではぴったりのキャスティングのように思えるが……。

「(オファー当初は)周囲はみなハマちゃんは僕がピッタリと言ってくれるけど、スーさんは“えー!?”ってという反応だった。三國さんて、公 けに“僕、釣り嫌いなんですよ”って言う。僕はそこまでは言わないけど。手先が器用じゃないし、エサも何も全部やってくれてハイ、どうぞ”ならいつでもやるけど」

 作中のキャラクターとは、すこし違った素顔をお持ちのお2人だったようだ。

4月15日

 西田さんは「帽子好き」だったことでも知られる。この日は、取材時点で20年以上通っているという東京・渋谷の山田帽子店を訪れた。老舗として知られた同店は、2023年に閉店している。

 4点の帽子を買い求めた西田さん。だが1万円を超える高級品には手を出さなかった。

「ボルサリーノとか時には贅沢もするけど、ふだんは消耗品の一つと考えてますから」

 そんな“帽子観”をお持ちだった。

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