日本人も危ない…「香港」で犯罪「3割増」の衝撃 当局が疑う「中国」黒社会の関与 治安状況も急速に“大陸化”か

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 香港の犯罪件数が急増している。昨年は約9万件で前年比29%増だ。その約40%が中国への大陸投資詐欺やオンライン詐欺だ。また、香港着の旅客機内での盗難件数が今年8カ月間で昨年同期比2・6倍の132件発生しており、約8,000万円の最高級時計の盗難事件も報告されている。日本から香港への到着便も多いので、日本人にも注意が必要である。警察は中国の「黒社会(組織犯罪組織)」が絡んでいるとみて、中国からの不法就労者の摘発に力を入れているが、その実態解明までには至っていない。【相馬勝/ジャーナリスト)

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 香港では2022年8月、「カンボジアで高額の収入を得ることができる仕事がある」などとの触れ込みで、求人募集する広告がインターネット上で出回り、これに応募した香港人がカンボジアに到着すると、パスポートや携帯電話、所持金を奪われ、鉄条網に覆われた建物に監禁され、「オレオレ詐欺」などの詐欺行為に加担させられるという事件が大きな話題になった。

 カンボジアでのこれらの事件について、カンボジア当局や国連は「中国系をはじめとするさまざまな犯罪組織が絡んでいる可能性がある」としている。アジア太平洋地域の外交・安全保障専門オンライン誌「ディプロマット」によると、カンボジア警察が発表した19年1~3月の外国人が関わる犯罪件数341件のうち、241件が中国人によるもので、「22年の初め頃から、中国人による人身売買や監禁、強制労働の被害が相次いで報告されるようになった」と指摘している。

オンライン詐欺が急増

 香港では、このような詐欺事件は昨年の場合、約9万件の犯罪総数のうち、44%に当たる4万件にも達している。これは前年比で約43%増と急激な増え方だ。詐欺関連に注目すると、被害総額は48億香港ドル(約921億6千万円)で約70%がオンラインによる詐欺だ。投資詐欺は18億香港ドル(約345億6千万円)、電話詐欺は10億香港ドル(約192億円)の被害が出ている。

 新たな詐欺の手口としては「e ショッピング」や「オンライン決済」、「電話会社のカスタマーサービススタッフのなりすまし」などが出現。また、弁護士を装った犯人が、詐欺事件の被害回復を支援すると偽るような事件も発生している。

 さらに、駐香港日本総領事館は香港の報道として、「ダーク・ウェブ上で不正に売買されているクレジットカード情報のうち、香港で発行されたものは約40万件に上るとされています。これは、被害件数としては米国及び豪州に次ぎ世界で3番目に多いとされるほか、人口との比率で見ると最も高いこととなるため、特に注意が必要です」と注意喚起している。

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