「軽んじられているものをかき集めると、ひとつのパワーに」 誰にもおもねらず“時代の記録者”であり続けた「山藤章二さん」の志【追悼】

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志を貫いて

 山藤章二さんの作品は単なる似顔絵ではなかった。描かれた人物の声が聞こえてきそうで、性格までも活写、書かれた言葉にクスッと笑わせられ、捉え方にハッとさせられた。

 その作風は1976年に「週刊朝日」で始まった連載「ブラック・アングル」で広く共感を得た。例えば同年、武者小路実篤が他界した際、あの「仲よき事は美しき哉」の色紙を模して、ロッキード事件に名前が挙がる田中角栄、児玉誉士夫、小佐野賢治の顔を描いた。一枚の絵で世相をつかむ批評性とユーモアでたちまち人気に。...

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