「ノルマ超過分を裏金にしていた」と元議員が吐露 新たに特捜部が追う「自民党東京都連の闇」
都連の「闇」
さりとて、どう言い繕っても立派な裏金。だが、都連の「闇」はさらに深い。
「都議会自民党でも裏金づくりはありました。都議会では2年に1回議長が代わり、1年に1回幹事長と政調会長が代わるのですが、就任の際に、新議長らの後援会が祝賀会を主催するのが慣例となっていました。その際、やはり1枚2万円のパーティー券が売りさばかれていたのです」(前出の元国会議員)
続けて言うには、
「後援会の人たちにできるだけ多く参加してもらうため、都議会自民党が組織として企業などにまとめ売りするのですが、たくさん買ってもらうために1枚当たり7000~8000円に割り引いて売ってしまうことがあった。そうして得た資金は、丸ごと都議会自民党の裏金になり、収支報告書には記載されなかったはずです。いわゆる二重帳簿があると聞いていました」
萩生田氏の回答は
耳を疑うような告白であるが、実はこの問題をかつて著書で指摘した人物がいた。元東京地検特捜部副部長で2014年から17年まで都連所属の国会議員だった若狭勝氏である。若狭氏が当時を振り返る。
「以前、ある国会議員から“都連には二重帳簿があり、不正経理がなされている疑いが強い”と聞かされたことがあります。ただ、当時の金の流れは都議会のドンとして知られた故・内田茂都議や八木洋治・前都連事務総長が掌握しており、都連内でもブラックボックスとなっていました」
そこで今回、八木前事務総長に自宅で話を聞いたが、
「(ノルマは)もちろんあった。不記載があれば、事務局が修正しているはず。(捜査は)知りません」
また、神戸学院大学の上脇博之教授から告発を受けている都連の事務局長の加藤賢一氏は「取材を受ける立場にない」と電話で言うのみ。
萩生田光一氏も書面で、
〈ご質問の刑事告発は承知しておりませんが、都連が当局から協力を求められれば真摯に説明すべきと考えております〉
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