中年男が女弟子の蒲団を嗅いで失恋の涙…ほぼ実話だった田山花袋の告白小説、モデル女性のその後にも影響した嫉妬心

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 既婚の作家が若い女弟子・芳子に懸想し、去られた後に芳子の蒲団と夜着を嗅ぐという衝撃のラストといえば、田山花袋の『蒲団』。文豪がキャラクター化された人気漫画の影響で若者にも良く知られている作品だ。「芳子」と名付けた布団を手放さないというキャラ設定からは、ラストの衝撃が今も衰えていない事実を感じる。しかもほぼ実話という『蒲団』には、モデルとなった女性が花袋を「恨めしい」と語るような“衝撃の後日談”が存在した。

(「新潮45」2007年6月号特集「明治・大正・昭和 文壇『女と男』13の愛憎劇」より「女弟子に恋い焦がれた『田山花袋』の執念」をもとに再構成しました。...

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