川口市のクルド人の来日目的は「就労と家族統合」 クルド人自身が「弟は難民じゃなくて移民」

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就労と家族統合が主たる目的というのが実情

 日本に来る場合は、密航業者に頼る必要はありません。トルコと日本の間ではビザは不要です。トルコ人がビザなしで旅行できるのは49の国・地域。先進国では日本、韓国、シンガポール、香港のみ。日本では2017年までは難民申請をすれば合法的に自由に就労可能で、申請は何度も繰り返すことができ、その間は送還が例外なく禁止されていました。これを利用して入ってきた人の親族や知り合いが川口周辺に集住し、彼らを頼ってクルド人がさらに来日したのです。ちなみに、川口にいるクルド人のほとんどはガジアンテップ周辺の村の出身です。

 すなわち、川口市へのクルド人の来日は、就労と家族統合が主たる目的というのが実情といえるのです。

本当に「迫害」されるならば帰国しないはず

 以上をまとめると、クルド人が帰国しても「迫害」されるような客観的状況はない。「クルド人」であるという理由で「迫害」されるとの言説は正しくない。彼らの多くは地震災害も含めた経済的困難から来日した経済移民とみていいでしょう。クルド人がほとんど難民認定されないことの理由はそこにあります。

 実際、昨年のトルコ人の日本での難民申請は2000人以上と急増しましたが、そのうち4分の1程度は帰国したといわれています。本当に「迫害」されるならば帰国しないでしょう。

 では、これらを踏まえて、対立を解消するためにはどのような道があるでしょうか。

 第一は、改正入管法を迅速かつ着実に運用することです。難民制度の誤用乱用を抑制し、仮放免中の外国人には自国に帰ってもらうことが必要です。最近になって、仮放免中のクルド人の自発的な帰国や送還も始まっているようですから、いずれはこの問題は収まると思われます。

 第二に、在日クルド人指導層は、若者たちが日本社会のルールを守るよう厳しく監督すべきです。法的には問題がなくても、ゴミ出しや大きな騒音などで地域住民に迷惑をかけるのを放置するなら、クルド人のイメージを悪化させ、外部からのヘイト集団の介入を許すことになるでしょう。

 第三に、支援団体は、難民認定や送還回避にエネルギーを使うのではなく、クルド人が社会的ルールを守り合法的な就労の機会を探すことに力を入れるべきだと思います。

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