斎藤知事が主張する実績は「すべて容易に達成が可能なもの」ばかり 公用車の変更も「人件費やガソリン代が増加」
「街頭活動でも謝罪の言葉はなく……」
兵庫県議会から不信任案を全会一致で可決され、失職、出直し選挙への再出馬を決めた斎藤元彦前知事(46)。9月26日の会見で顔色一つ変えずご自分の主張を淡々と語っていたが、よくよく聞いてみると中身はデタラメばかり。彼が弄(ろう)する三つの虚言を検証した。【前後編の前編】
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意図的に世の中を欺こうとしているのか、それとも、自覚がないまま偽りの言葉を発してしまうのか……。彼の心の中までは読めないが、いずれにせよ罪深き虚言を吐いていることは間違いない。
パワハラ疑惑などを問題視され、斎藤氏への不信任案が全会一致で可決されたのは、9月19日のことだった。
「この人の考えていることは誰にも予想がつきませんからね。議会を解散させる暴挙に出るという見方もありましたが、結局、26日に会見を開き、30日に自動失職した後、出直し選挙に出ると表明しました」(県政担当記者)
斎藤氏は失職すると、その日の朝から早速、地元神戸市のJR須磨駅前に立ち、街頭活動を始めた。
「本人的には選挙に向けたパフォーマンスのつもりなのでしょう。しかし、彼が政治家として終わっているのは誰の目にも明らかです。街頭活動でも謝罪の言葉はなく、依然として独りよがりな自己アピールをしています」(同)
「本当に実績と呼べるのか」
話を26日の会見に戻すと、彼はこの場で、一連の問題に対する考えや再出馬を決めた理由について語った。だが、つぶさに中身を検証すると、三つの虚言が明らかになるという。
その一つ目は、会見の冒頭で訴えた自らの「実績」に関するもので、さる県関係者によれば、
「彼はかねて自らの正当性を主張する際、改革を推し進めた実績があると強調してきました。26日の会見でも、『65歳以上の県職員OBの天下り廃止』『県立大の授業料無償化』『知事の給与・退職金カット』『公用車センチュリーのリース見直し』などを挙げていた。しかし、これらは本当に実績と呼べるものだったのでしょうか」
例えば、
「天下りの厳格化として、たしかに外郭団体に在籍していた65歳以上のOBを辞めさせましたが、天下りそのものは認めています。しかも、その数はわずか60人ほど。中には顧問など名ばかりの役職で、給料をもらっていない人も含まれていたようです。”本当の狙いは斎藤さんの前の知事派の排除だろう”と、県庁内では別の目的を指摘する声が大きかった政策でした」
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