81歳現役女医が75歳で筋トレを始めた理由 毎日食べる「野菜スープ」作りのコツも解説

ドクター新潮 ライフ

  • ブックマーク

おすしも醤油なしでOK

 ファイトケミカルの効果ももちろんあるはずですが、野菜スープ生活で実感したのは「舌」が変わることです。調味料を使わない野菜スープに慣れることで、味覚の好みが薄味に変わり、濃い味付けは体が受け付けなくなりました。その結果、自然と減塩できていたのです。甘い物も食べたくなくなるので、糖尿病予防にも効果があります。

 わが家の台所にも塩や醤油は置いてありますが、まず使うことがないのでほとんど減りません。おすしですら、醤油をつけません。無理をしているわけではなく、シャリに含まれている塩分だけで十分においしく感じられるため、醤油は“余計”なのです。

もっと健康に気を使えていたら……

 ここまで紹介してきた健康法は、「健康オタク」である私が実践し、効果があったものです。もともと両親が病弱だったせいで、幼い頃から人一倍、早寝早起きなどの健康的な生活を勧められてきた私は、「健康でいること」を実践し、究めることが好きな性質(たち)なのです。

 しかしそんな私も、医学部を卒業し、40代にかけて東大で研究・勤務をしていた頃は健康の「け」の字もないほど慌ただしい生活を送っていました。そこにひどい更年期障害が襲ってきてしまったわけです。当時、もっと健康に気を使えていたら……。

 人生100年時代のいま、自分の健康は自分で守らなければなりません。自分の主治医は自分自身なのです。その観点から考えると、ホルモンバランスが崩れ、心身に異変が生じる更年期は、ヘルスリテラシーを高める絶好の機会でもあります。

 なにも女性に限った話ではありません。男性も、発症する割合は女性の10分の1ほどとはいえ、男性ホルモンであるテストステロンの低下により更年期障害になります。最近、ようやくその存在が知られるようになりましたが、50代の頃に見舞われる男性の不調、すなわち男性更年期障害は単なる「うつ」と誤解されがちです。

次ページ:「二人の主治医」

前へ 2 3 4 5 6 次へ

[5/6ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。