慢性的な「人手不足」に悩む労働現場…変革のカギは日本企業が避けてきた「2つのキーワード」
外国人労働者の受け入れ
もう1つ、日本が人手不足に積極的に取り入れようとしているのが「外国人労働者」だ。
現在日本で働く外国人労働者の数は204万8675人(前年比225950人増)。平成19年以降、過去最多を更新。外国人を雇用する事業所数も31万8775所(前年比1万9985所増)で、届出義務化以降、過去最多となっている。
現在日本に滞在する外国人で最も数が多いのはベトナム人で25.3%、次いで中国人(香港・マカオ含む)が19.4%、フィリピンが11.1%となっている。
ちなみに、日本人と対面して仕事をしているコンビニやスーパーなどの外国人労働者は、日本語レベルというと上級レベルだ。日本語レベルが初級の場合、外国人は倉庫やバックヤードの仕分けなどの仕事をすることが多い。
こうして日本の外国人労働者の受け入れは進んではいるが、個人的に、現在の日本の状態での外国人労働者の受け入れは賛成できない。
日本に外国人を受け入れる体制が全く整っていないからだ。
急激なグローバリズムによって、外国人に対する理解が進んでいない日本では、差別やヘイトが横行しているのが現状で、国際リテラシーが高いとは決して言えない。
実際、外国人労働者のなかには、仕事場で人種差別やいじめ、契約違反、虐待などを受け帰国したケースもあり、後に日本のネガティブキャンペーンをしている人までいる。
無論、日本に来ている外国人には日本の文化やマナーに倣う必要がある。
しかし、こうした外国人を「郷に入っては郷に従え」と受け身でいるだけではなく、日本人と同じ水準で労働できる環境を整えたり、受け入れ側も相手の文化を理解するなどの「相互理解」は最低限必要なのではないだろうか。
先述通り、もはや日本は自力で人口を増やせる状況ではなく、外国人を受け入れない限り人口増加は見込めない。
短くなる労働時間、多様化する同僚。人口の減っていく日本において、今後のはたらく人たちには、効率化と共生が求められるのだ。
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