SNSで大人気「かわいすぎるビーバー」を巡って法廷闘争が勃発…全米が注目した「野生に戻すべきか」論争の意外な結末
州知事の介入でスピード解決
それでも当局は10月1日にニビを引き取り、人から離れた適切な生息地に放すと通知した。埋まらない溝を前にしたセンターは、弁護士を介して裁判所に緊急差し止め命令を申請。裁判所は審議を4日に行うとした上で、完全な審議が行われるまではセンターに留まってよいとの判断を下した。
並行してSNSでも抗議の声が沸き起こり、ニビの「不必要な移動」に反対するオンライン署名は1日の開始当日に1.2万人分を集めた。マスコミも注目し始め、ついに州のトップが大胆に「介入」する。州知事のモーラ・ヒーリー氏は審議前日の3日、ニビを教育動物とする許可証の発行を発表した。
一件が表面化してから1週間程度の超スピード解決。米国内外で多数のメディアがこれを報じる様子からは、「良心の存在」を信じたい意志のようなものが感じられる。対してSNS上では、不況で路頭に迷う人間たちについて「彼らはどうなるのか」とする投稿もあった。大統領選や世界情勢の混迷で殺伐とした雰囲気が漂う今だからこそ、ニビの美談は示唆に富んでいるともいえるようだ。