いまや「明日のスター」登竜門との声も…「ネトフリ」にチャンスを求めるブレイク前の「芸人」「俳優」の本気度

エンタメ 芸能

  • ブックマーク

お笑いは役者に向いている?

 ちなみにこれまで、日本以外で配信・公開となった作品に出演したお笑いタレントといえば、十八番のネタ「大阪名物パチパチパンチ」で吉本新喜劇の看板俳優になり、89年にマイケル・ダグラス(80)主演の映画「ブラック・レイン」で高倉健、松田優作、若山富三郎ら、豪華日本人キャストとともに出演を果たした島木譲二(16年没)がいる。

 また当時、テレビ界を席巻していた、とんねるずの石橋貴明(62)は、94年公開のハリウッド映画「メジャーリーグ2」に、バットを頭で折る型破りな謎の日本人選手、タカ・タナカ役で出演。98年公開の「メジャーリーグ3」にも登場した。

「島木さんは、『勉強のつもりで』と、軽い気持ちでオーディションを受けたら合格。若山さんが演じた関西ヤクザの首領の部下役で、出番は少なかったのですが、撮影現場では、リドリー・スコット監督にパチパチパンチを披露して『ナイスボーイ!』と称賛されたそうです。石橋さんは、日本における集客目的でオーディションなしでの抜てきでした。公開当時、本場のメジャーリーグ選手やファンから『あの日本人選手』として有名となり、23年にメジャー取材に訪れた際には、ヤンキースの大スター、アーロン・ジャッジからも握手を求められていました」(先の担当記者)

 また、ビートたけし(77)は、映画を撮る際は「北野武監督」として、世界にその名をとどろかせるだけでなく、自身の監督作品では主演を務めているのはご存じの通り。

 ハリウッド大作や海外ではなくても、お笑い芸人やタレントが、ドラマや映画に起用される例は他にもある。石橋の相方の木梨憲武(62)、お笑いトリオ・ネプチューンの原田泰造(54)、元アリtoキリギリスの石井正則(51)、元キングオブコメディーの今野浩喜(45)、アンジャッシュ・児嶋一哉(52)、ドランクドラゴン・塚地武雅(52)、ココリコ・田中直樹(53)、ずん・飯尾和樹(55)、板尾創路(61)らが活躍している。

「お笑いタレント・芸人をドラマや映画で起用する狙いは、俳優とは違う感性を持っているので、作品にインパクトを与えてくれるからです。さらに、下積み時代を経験している方が多く、忍耐力があり、キツイ現場でも耐え抜ける体力と精神力がある。さらには、共演者たちを笑わせてムードメーカーになってくれる面もあるので、起用される機会が増えているのです」

 と、民放キー局のドラマスタッフが言う。ただし、起用される芸人・タレントたちは、しっかりと“本業”で実績を作り、顔と名前を売ったところで起用されるケースがほとんどだという。

「ネトフリのように、アントニーさんやえびちゃんを起用することは、テレビ各局や映画会社ではなかなかありません。俳優陣も大手の芸能事務所がまず優先なので、中小の事務所や舞台出身の俳優にはなかなかチャンスがないのが現状。それに比べるとネトフリのオーディションは大チャンス。なので、ネトフリでチャンスをつかもうとする芸人が今後は増えそうです」(前出・スタッフ)

次ページ:ネトフリから明日のスターが

前へ 1 2 3 次へ

[2/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。