「58人の男を愛人に」「バッグには常にコンドーム」 12億円ワイロで捕まった「中国共産党美人幹部」のやりたい放題エピソード

国際 中国

  • ブックマーク

 政治資金パーティーを利用して作られた自民党議員の裏金はおおよそ6億円弱。ところが、お隣の国はスケールが違う。地方政府の女性幹部がたった一人で、その2倍もの賄賂を受け取り、しかも、58人の男を愛人にしていたというのだ。

出張名目で“お気に入り”の男と……

 香港の「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」が9月19日に報じたところによると、今年7月、収賄の罪で懲役13年の判決を受けたのは、貴州省黔南(チャンナン)自治州の元州長・鍾陽(52)という女性だ。2010年から21年にかけて、自身の地位と権限を利用してさまざまなプロジェクトを推進し、その見返りとして5896万元(約12億円)相当の財産を不法に受け取ったとある。

 その一方で、部下に愛人関係を迫り、残業や出張名目でたびたび“お気に入り”の男と時を過ごした。鍾陽に気に入られたいために、率先して愛人を志願した部下までいたという。彼女のハンドバッグには常にコンドームが忍ばせてあり“男あさり”のためにナイトクラブにも出没していた。官僚の腐敗を追及する中央紀律検査委員会の網に引っかかるのは時間の問題だったといえる。

貧しい家庭からキャリア官僚に

 公表されている彼女の経歴を見ると、1972年1月に江西省吉安市の貧しい家庭に生まれ、西南民族大学史学科を卒業。共産主義青少年団(共産党傘下の青年団体)に入り、以後、地元の共産党や地方政府の幹部として順調に出世してきた。その一方で、日本の国会にあたる全国人民代表大会(全人代)の貴州省代表にも名を連ねていた。

 産経新聞の元台北支局長でジャーナリストの矢板明夫氏によると、

「西南民族大学は、地方の良い大学として知られており、少数民族の教育のために作られた学校です」

 黔南自治州は385万人の人口を擁する観光地でもある。その州長を務めていたのだから利権も大きかったはずだ。

 ジャーナリストの福島香織氏が言う。

「経歴からして彼女はキャリア官僚と言っていいでしょう。ただし、52歳という年齢からすると、もうひとつぐらい上のポジションで“上がり”でしょうか。政府の役人が賄賂を受け取り、複数の愛人を作るというのは、向こうでは珍しくない。彼女もそういう上司たちを目の当たりにしてきて、自分も同じことを実践したというわけです」

 まるで現代の則天武后のようだったと現地では報じられている。

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。