ロシア軍の戦死者が1日平均「1271人」に急増…「年収790万円」の超好待遇でも兵士確保できず「北朝鮮正規軍」を東部戦線に投入の可能性も

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榴弾砲の枯渇

 ウクライナの複数のメディアは10月4日、ウクライナ軍がドネツク州内のロシア軍に対して行ったミサイル攻撃で、20人以上の兵士が死亡、その中に北朝鮮の将校が6人含まれていると報じた。

「現地メディアの報道によると、ロシア軍は北朝鮮の将校に攻撃や防御の訓練を行っていたそうです。これを受けて韓国の金龍顕国防相は8日、『北朝鮮は正規軍をウクライナに派兵する可能性が高い』という見解を示しました。ロシア軍は兵力の補填がうまくいっていないため、北朝鮮軍を東部戦線に投入する可能性が出てきたことになります」(同・記者)

 撃退しても撃退しても、ロシア軍は押し寄せてくる。ウクライナ軍が押されている原因は榴弾砲と砲弾の不足も大きい──と軍事ジャーナリストは指摘する。

「冷戦崩壊後、西側諸国は次第に対テロ戦争を重視し、広大な戦場で大砲を撃ち合う戦争は想定しない傾向が強まりました。例えば155ミリ榴弾砲ですら長い射程を持ち、砲弾自体がGPSで誘導され、精密な攻撃が可能になっています。ピンポイントに必要な目標だけを破壊する、いわば“スマートな戦争”を目指していたわけです。ところがウクライナの戦場では、まるで第一世界大戦のような榴弾砲の撃ち合いが繰り広げられています」

“ローテク”ロシア軍の強さ

 まさにハイテク兵器であり、高性能を誇る西側の榴弾砲は、最初はウクライナの戦場で活躍していた。だが戦争が長期化するにつれ、弊害も出てくるようになった。

「NATO各国の“支援疲れ”もあり、西側の榴弾砲は寿命を迎えた砲身の補給さえおぼつかない状況になっています。こうなると“ローテク”で、荒っぽいロシアの榴弾砲が有利です。ロシア軍は古い装備も倉庫で保管していました。榴弾砲の砲身や部品も倉庫に予備が残っているのです。何でも保管するロシアを馬鹿にする西側専門家もいたのですが、今のウクライナとの戦争では功を奏しているのです」(同・軍事ジャーナリスト)

 ハイテクの戦争だったら、ロシア軍は今よりも苦戦していたかもしれない。だが、現実は第一次世界大戦に似たローテクの戦いが続いている。これはロシア軍には有利だ。

 ロシアは砲弾を生産し、倉庫から榴弾砲を引っ張りだし、砲身のメンテナンスも全力で行っている。最前線ではひたすらウクライナ軍に砲撃を浴びせ、兵士を犠牲にしながら突撃を繰り返す。

「10月も下旬に入ると、ウクライナは秋雨の季節を迎えます。大地は泥沼と化し、陸軍の作戦に支障を来します。それまでに戦果を得ようと、ロシア軍はさらに猛攻を行うと考えられます。ウクライナ軍にとっては厳しい数週間になりますが、持ちこたえれば泥濘期から厳冬期となり、戦線はいったん落ち着くでしょう」(同・軍事ジャーナリスト)

ウクライナ軍のピンチ

 厳冬期はあまりの寒さに軍の動きも止まる。そのため焦点は来年の春になるという。

「11月5日にアメリカ大統領選が行われるため、春になればウクライナにどの程度支援を行うのか、はっきりとしているはずです。ロシア軍も軍需経済が好調なので、戦力を充実させているでしょう。来春早々にロシア軍が猛攻をかけるのは確実と見られ、今のような支援に後ろ向きの状態が続けば、ウクライナ軍が敗北を重ねる可能性が出てきています」(同・軍事ジャーナリスト)

註:難攻不落の要衝ウクライナ東部ウグレダルがついに陥落、ロシア軍にとっての「重要な意味」とは(ロイター:10月3日)

デイリー新潮編集部

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