広島カープ“史上最悪の失速”で「カープ女子」の姿も減った? 「Aクラス陥落」を乗り越えるための課題は「暑さ対策」以外にも

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来季も続く暑さとの戦い

 今オフは打線の強化が必須となる。ノーヒットノーランを達成した大瀬良大地(33)はシーズンを通して1点台の防御率を残したが、勝ちは6つしか付いていない。打線の援護に恵まれなかったのはエース対決となる試合も多かったからだが、「1点も与えられない」と思って投げるのと、「打たれても打線がすぐに取り返してくれる」と思ってマウンドに向かうのとでは精神的な疲労度も大きく違ってくる。

 これに加えて、ここ数年の異常に暑い“8月の奮闘”の疲れが重なり、ペナントレースの勝負どころとなる9月には、その影響がもろに出ることになる。

「新井監督の性格もありますが、選手が活躍すると真っ先にベンチを出て、その選手を労ってきました」(前出・同)

 負けが込み雲行きが怪しくなってきても、「選手は一生懸命に頑張っている」と、記者団の質問にも笑顔で答えてきた。監督として間違った姿では決してない。だが、歴史的失速となった以上、敗因分析の一つに、新井監督の“優しさ”が取り上げられることもあるかもしれない。時代は変わったとはいえ、プロである以上、ある程度の“厳しさ”は必要ということか。

 9月28日、マツダスタジアムは巨人優勝の舞台となってしまった。優勝指揮官インタビューの後、広島球団は阿部慎之助監督(45)が現役時代に打席へ向かう際に流していた曲「September」を球場いっぱいに響かせた。粋な計らいに、詰めかけた巨人ファンは喜んだことだろう。グッドルーザーぶりを見せてくれた新井カープに、来季の奮闘を期待したい。

デイリー新潮編集部

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