「負け惜しみにしか聞こえない」 落日の麻生太郎氏、最高顧問を打診され「俺も大勲位と同じ立場か」

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 ともに第2次安倍政権を支えた間柄ながら、彼ら二人の首相経験者の間には常に緊張感が漂っていた。かたや菅義偉氏(75)は一貫して無派閥、こなた麻生太郎氏(84)は裏金問題の発覚以降も自派閥を維持。両者は総裁選でくっきり明暗が分かれ、麻生氏の落日がなお鮮明に。

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 菅氏は3年前の退陣以来、非主流派として無役に甘んじてきた。その菅氏を新副総裁に任命したのは、石破新政権の象徴的な人事といえよう。

「菅氏は小泉進次郎氏を支援していましたが、裏で石破氏にも保険を掛けていました。推薦人集めに苦労していた石破氏のために、“誰か出せないか”と周囲に声をかけただけではありません。総裁選の終盤、小泉氏の失速が明らかになると、近しい議員に内々で“決選投票では石破だ”との意向を伝えていたのです」(政治部デスク)

苦杯を嘗めた麻生氏

 党内基盤の弱い石破氏が党のトップとなるのに、菅氏の助力は必要不可欠だった。それゆえの論功行賞というわけだが、それは菅氏本人を要職で遇しただけにとどまらなかった。

 菅グループから坂井学元官房副長官(59)が国家公安委員長に、また牧原秀樹元経産副大臣(53)が法相に抜てきされたほか、

「菅氏の地元・神奈川県選出で、菅氏と近い三原じゅん子参議院議員(60)も、子ども担当相で初入閣を果たしています」(同)

 新政権が菅カラーに染まった一方で、苦杯を嘗(な)めたのが麻生氏だ。岸田派や茂木派までもが解消に動く中、麻生氏だけは派閥を存続させたが、今回そのかじ取りでしくじった。

「自派閥の河野太郎前デジタル相(61)の劣勢が確定的になると、麻生氏自身、高市早苗前経済安全保障担当相(63)支持に傾きました。首相時代に退陣を自らに突きつけてきた石破氏を麻生氏は蛇蝎(だかつ)のごとく嫌ってきた。一方、党内で覇を競う菅氏が後ろ盾の小泉氏のことも支持できない。高市氏が決選に残る道に望みをつなぐしかなかった」(同)

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