引退表明「イニエスタ」のマネジメント会社が「1億円敗訴」していた 本人も取締役に就任、“寿司トラブル”も勃発

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「損害賠償と合わせて1億5千万円規模の反訴を行うことに」

 再び関係者に聞くと、

「完全に決裂したのは2022年12月のことでした。広告会社が支払うと契約で決めていたデポジット(保証金)の一部である5千万円が、期日の11月30日に入金されていないとして、イニエスタ側が債務不履行で契約解除を通告してきたんです。こちらとしては支払うもなにも、約束していた動画などの契約が履行されていないのに、先方から予想外の経費などを請求されたので話し合いを求めていた。そうした声を一切聞かないばかりか、最終的には『契約無効になってからも、ファンクラブの動画サイトが削除されず肖像権が侵害されている』などという理由で提訴してきたわけです」

 動画については、全会員へ会費の返金手続きを完了するまで数カ月かかるので、それ以前に削除すれば“夜逃げした”などの誤解を与えかねず、イニエスタのイメージを守るための措置だったという。

「何より契約にあたってわれわれがイニエスタ側に預けていたデポジットが1億円強返金されていませんから、損害賠償と合わせて1億5千万円規模の反訴を行うことにしました」

 関係者は他にも約束が守られなかった例を具体的に列挙していく。これらについて、自らも訴えられる格好となったイニエスタのマネジメント会社に尋ねると、

「担当者がいないので分からない」

 と繰り返すのみ。来日時の推定年俸32億5千万円はJリーグ史上最高額とされたスーパースターはこの一件をどこまで認識し、どう対処しようと考えているのか。

 ***

 以上がトラブルの全容である。冒頭で述べたように、この訴訟の判決が9月18日、大阪地裁で下され、原告(イニエスタ側)の請求は棄却された一方、被告(広告会社)の反訴請求は認められ、イニエスタ側に1億1000万円の支払いが命じられた。広告会社側の請求額全額が認められるという、イニエスタ側にとっては、完全敗訴となる判決である。広告会社の関係者によれば、マネジメント会社は、反訴訴訟についてのみ控訴したという。また、イニエスタはこの7月に同社の取締役を辞任している。

 本判決を受け、原告の代理人弁護士に見解を聞いたが、回答はなかった。

 被告の広告会社に見解を尋ねると、担当者から「真摯にお取組みさせていただいた中での、相手方の不履行だと認識していましたので、全面的に弊社の主張が認められたことは、真っ当な判決をしていただいたと感じています」との回答があった。

 折にも引退発表と同時期の敗訴判決。世界的名プレーヤーの名に傷が付くトラブルである。

デイリー新潮編集部

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