「親離れができていない」「たくさん助けたけど一方通行」 石破首相の「決定的な欠陥」を恩人らが指摘

国内 政治

  • ブックマーク

「親離れができていないということ」

 新生党や新進党で共に活動した平野貞夫元参院議員が述懐する。

「彼は私より20歳くらい下でしたが、新生党時代は小沢・羽田ラインの政策理念などについて私を質問攻めにしてきましたよ。よく彼から新橋の小料理屋に呼び出されて、二人で飲み食いしながら、政治改革のこと、これからの日本のことをもう連日のように話しましたね。私は小沢さんのブレーンとして知られていましたから、何とか私から話を引っ張り出そうとしていました」

 石破氏が平野氏に問うてきたのは政策の話ばかりではなかった。印象に残っているのは、父・二朗氏について語る姿だという。

「私も彼の親父さんのことを知っていますが、頭が良いだけではなく、人間が立派な人だった。彼は親父さんが素晴らしい人だってことを私に話し、彼自身の立ち位置をどうするかということで悩んでいた。その時に私が感じたのは、彼は父親へのコンプレックスを持っているな、ということ。つまり、親離れができていないということです」

 それこそが石破氏の「欠陥」なのではないか――そう考えたという。

「質的な問題で決断ができない」

「親の偉大さの中にいるだけでは自立した人間にはなれません。親の良いところ、悪いところを峻別していくことで、子供は親から離れるんです。親離れができなければ、指導者として量的な判断はできても質的な問題で決断ができないんです」

 と、平野氏は言う。

「彼は勉強熱心な読書家でさまざまな知識を持っていて、それを整理する能力もあるけれど、自分が責任者になった時に、これをやる、これはやらない、と決められない。だからこそ彼が立ち上げた派閥もうまくいかなかったのでしょう」

 後編【「元々、政治家に向いていない」「中学時代に友達が離れていった過去」 元石破派が明かす、「石破首相に仲間ができない理由」】では、元石破派の人物らにインタビュー。石破首相になかなか仲間ができない真の理由について報じている。

週刊新潮 2024年10月10日号掲載

特集「包容力なき雄弁家 『石破茂』研究」より

前へ 1 2 3 4 次へ

[4/4ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。