「親離れができていない」「たくさん助けたけど一方通行」 石破首相の「決定的な欠陥」を恩人らが指摘

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「恐ろしく忙しい」

「5度目の正直」でついに自民党総裁選に勝利し、頂点まで上り詰めた石破茂新首相(67)。鳥取県知事の息子として幼少期を過ごし、田中角栄元首相の薫陶を受けて政界入り。永田町で嫌われ、立ち上げた派閥が瓦解しても挑戦を諦めなかった「政治家・石破茂」の全て。【前後編の前編】

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 後世に残る激闘を制して自民党総裁の座を勝ち取り、今月1日召集の臨時国会で第102代総理大臣に選出された石破茂氏。総裁選が終わった翌日、

「恐ろしく忙しい」

 と言いながらもご本人が振り返ってくれた。

「これまでの総裁選とは支えてくれる人たちの熱量が違ったかな。今までは、安倍(晋三元首相)さんとやった時も、菅(義偉元首相)さんや岸田(文雄前首相)さんとやった時も、『違う選択肢も自民党にありますよ』と示す意味があった。今度は、選択肢を示すという選挙じゃなかったからな。『最後の戦い』だからね」

 1回目の投票では高市早苗前経済安保相に次ぐ2位となったが、決選投票で逆転して勝利した。

「今までとは全く逆のパターンでね。議員票でひっくり返すというのは初めてやったから。いろんな人がいろんなことを考えたんだろう」(同)

「オヤジが喜んでいるだろうなぁ」と涙

 今回、石破氏の陣営には彼のことを古くから知る人物も入っていた。田中角栄元首相の秘書を長く務めた朝賀昭氏だ。

「今回の選挙でもずいぶん助けてもらった朝賀先輩は『オヤジが喜んでいるだろうなぁ』と言って泣いていた。角栄先生には俺、2回言われたからね、一対一で。『お前な、大臣1回は努力すればなれる。大臣2回はすんごく努力すればなれる。党三役はものすごーく努力すればなれる。でも総理は努力だけじゃなれんぞ』と」(同)

 朝賀氏に聞くと、

「総裁選投開票日の夜中に丁寧なお礼の電話をいただきました。“お世話になりました”と石破が言って、私が“これでオヤジに報告できるね”と返したら、彼は“本来はお参りしてご報告をしたいんですが、今すぐというわけにはいかないので、心の中でオヤジに手を合わせて、おかげさまで頂上まで上り詰めることができました、と伝えました”と言っていました」

 石破氏ご本人は、

「角栄先生なかりせば今の自分はない」

 と言うが、実際、石破氏は田中元首相の導きによって政界入りしている。

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