「二階Jr.にトリプルスコアで勝つ」と豪語する世耕氏の進むいばらの道
旧安倍派で5人衆の一角
10月27日投開票の衆院選の和歌山2区に、自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件で離党した世耕弘成元経産相(61)が無所属で立候補する意向を表明した。5期務めた参院からの鞍替えで、自民党は引退する二階俊博元幹事長の三男・伸康氏(46)の擁立を決めており、保守分裂、紀州戦争の勃発と騒がれ始めている。
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世耕氏は5日、和歌山県田辺市内で会見し、「いわゆる還付金の問題では大変な迷惑をかけたが、県民から与えられた26年間の政治経験を、和歌山県や国の発展のために活用してもらえるか、今回の選挙を通じて声を聞かせていただきたい」と述べ、立候補を表明した。
世耕氏は参院和歌山選挙区選出の当選5回で、官房副長官、経産相などを務め、2019年から自民党の参議院幹事長を務めていた。党内第1派閥だった旧安倍派で5人衆の一角を占め、参院では影響力を発揮していた。が、派閥の政治資金パーティーをめぐる問題で、党から離党勧告を受け、今年4月に離党した。
“首相の座を狙う”と公言する男
「“首相の座を狙う”と公言する世耕氏にとって衆院への鞍替えは悲願でした。二階王国の牙城を崩すべく、地道な活動を続け、世耕王国がほぼ成立していると評価する人もいますね。一方の二階氏は政治資金パーティー裏金事件の責任をとってこの衆院選に出馬しないことを表明していました。代わって三男・伸康氏を後継候補としていたわけですが、そのタイミングで世耕氏が打って出たということでしょう」
と、政治部デスク。選挙で勝つためには相手が弱っているところをいかに狙うかが問われている。その意味では「王」が退位したタイミングというのは悪くない選択なのかもしれない。
今回の衆院選では「10増10減」の選挙区調整で、和歌山県の選挙区は1減となる。加えて世耕氏は来年に参院議員6年の任期切れを迎えて改選期となることも鞍替えを後押しする要因となったと見られている。
「世耕氏は周辺に“単に勝つだけではなく、トリプルスコアの差をつける”と豪語しているようです」(同)
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