「藤川阪神」のヘッドコーチ候補に宮本慎也氏(53)浮上も…“外様”以上に“大先輩への仁義”というハードル

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守備が課題の阪神、名手は適任

 ただ、21年オフ当時とは状況が変わっていることは確かだ。ヤクルトでは高津臣吾監督が単年契約での来季続投が決まった。“つなぎ”の意味合いが強く、次期監督には今季限りで現役引退した青木宣親氏が有力候補に挙がる。年長の宮本氏のヤクルト監督の線は消えかねない。

「慎也は現場でこそ力を発揮できるタイプで、年齢的なことを考えると、そろそろユニホームを着ておいた方がいい。大阪出身で、関西圏で熱狂的なファンを抱える阪神の存在感は分かっているでしょう。阪神のヘッドはヤクルト監督より知名度が高いかもしれません。重みという意味でも、やり甲斐には事欠かないと思いますね」

 阪神は土と芝の甲子園球場が本拠地で、守備の強化が課題とされてきた。優勝した昨季でさえリーグワーストの85失策。今季も85失策はリーグ5位だった。来季も実力拮抗が予想されるセ・リーグで、守備の強化は明暗を分けかねないだけに、名手だった宮本氏が腕を振るう余地は存分にある。

 藤川氏は7月、自身のインスタグラムで上原浩治氏(元巨人投手)を交え、宮本氏と会食したとみられる写真を掲載した。宮本氏とは名球会の会員同士という接点もある。

宮本氏は藤川氏に一目置いている

「慎也は球児の野球の捉え方に一目置いているようです。クローザーは九回の自分の出番だけに集中し、そこに至るまでの試合の流れを把握していないものなのですが、『球児は違う』と認めています。球児がプロ入り当初は先発で、リリーフに転向するまで花開かなかった苦労人であることや、チームのために連投を厭わず、献身的に腕を振り続けたこと投球スタイルを含め、2人の野球観は合うのではないでしょうか」(前出の元監督)

 阪神の新監督の発表は、クライマックスシリーズ(CS)に進んだチームの全日程終了後が見込まれる。日本シリーズの第7戦までもつれれば11月3日となる。岡田監督の下、シーズンを戦っているチームへの配慮は不可欠とはいえ、オフの日程から逆算すると、同時進行でコーチ陣の選定を行わざるを得ない。

 阪神・宮本ヘッドコーチ誕生となるのか。実現すれば「藤川阪神」の組閣の目玉となることは間違いない。

デイリー新潮編集部

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