超多忙「宮藤官九郎」が書き下ろす「新作映画」とは テーマはパンク、監督はあの“個性派俳優”

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 俳優の田口トモロヲ(66)が自ら監督する映画の出演者オーディションが開催されたという。募集要項によると、脚本を務めるのはクドカンこと宮藤官九郎(54)で、1980年代の“東京ロッカーズ”を描く作品となるようだ。

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「田口組 オーディション募集」と題した告知にはこうある。

《(1)東京ロッカーズを彩るバンドのメンバー役/レギュラーファン役/ライブハウスで覚醒する招待客の女性役など 10代~30代男女、ロック好き、ダンスが得意な方優遇。大量募集!》

 募集する役柄は他にもあるが、《【出演料】1日1万円》とも。

 ちなみに“東京ロッカーズ”というのはバンド名ではない。1980年代、バンド雑誌だった頃の月刊「宝島」はこう解説している。

《まず誤解を解くために明記しておきたいのは、『東京ロッカーズ』が特定のグループ、リザード、フリクション、ミラーズ、S-KEN、ミスター・カイトを指す名称ではないということだ。(中略)8 1/2やボルシーなどの若い世代も東京ロッカーズだったし、その周囲で関係していた誰もが東京ロッカーズだったのだ。》(「宝島」85年11月号)

 リザードやフリクションといったバンドやその周辺もひっくるめた日本で最初のパンク・ムーブメントを総称して東京ロッカーズと呼んだ。その時代を田口は映画にしようというわけだ。業界関係者は言う。

2人ともバンド出身

「田口は俳優になる前は、パンクバンドのボーカルをしていました。そのため昔から『ロックの映画を撮りたい!』と周囲に話していたんです。そしてクドカンも今のように脚本家や俳優として売れる前から、彼が所属する劇団『大人計画』の阿部サダヲたちとハードコア・パンクバンド『グループ魂』を結成していました。2人とも本業で売れるよりもバンドマンが先なんです」

 とはいえ、クドカンは今年、1月期の「不適切にもほどがある!」(TBS)に始まり、7月期の「新宿野戦病院」(フジテレビ)、9月の特番「終りに見た街」(テレビ朝日)があった。加えて、来年1月公開予定の菅田将暉・主演映画「サンセット・サンライズ」の脚本も担当するなど大忙しだ。田口監督の映画の脚本を書く余裕などあるのだろうか。

「田口とクドカン、そしてバンドというのは浅からぬ縁があります。2人で話して盛り上がったことで決まった話かもしれません」

 田口が映画監督を務めるのは9年ぶり4作目となる。そもそも2004年に公開された初監督作品「アイデン&ティティ」もクドカンの脚本だった。

「原作はみうらじゅんの同名漫画で、80年代後期から90年代初頭のバンドブームを背景とした青春映画でした。主演は銀杏BOYZの峯田和伸で、彼がギターを担当するバンド・SPEED WAY(ボーカル:中村獅童、ベース:大森南朋、ドラム:マギー)を中心に物語は展開しました」

 やはりバンド映画だった。新作はそれよりも一世代前の時代ということになる。

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