菅元総理、小泉進次郎氏を支えた「外務省のブレーン」が“台湾赴任”の衝撃…「官邸の秘蔵っ子」外交官に囁かれる“左遷説”の真偽

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「うってつけの人事」

 なるほど、権謀術数が渦巻く永田町らしい噂ではある。だが、外務省関係者はこう話す。

「実際には今回の人事は、高羽さん本人の強い希望もあって、総裁選のかなり以前に決まっていたようです。アフガニスタンでの勤務経験もある高羽さんは、かねて“北京や台北、テルアビブのような日本外交の火種となりうる地域に身を置きたい”と話していた。その意味ではうってつけの人事ではないか。少なくとも高羽さん自身は政治的な野心とは縁遠い人物。むしろ、外交官としての仕事に強いこだわりがあるタイプで、2021年9月に菅総理(当時)が退陣表明しておよそ4年ぶりに外務省へ復帰したときも、“40代のうちに本省の課長として戻ってこられた”と心底、喜んでいました」

 その際、“古巣”で与えられたポジションは安全保障政策課長。いわゆる反撃能力の保有や、防衛関連予算をGDP比で2%まで増加させる方針を明記した「安保関連3文書」を巡って奔走し、岸田政権下で無事に閣議決定への道筋をつけている。

 当時のインタビュー記事で、高羽氏はこう語っていた。

〈「安全保障」を実現していく上では、国の守りを固めておくことも当然重要ですが、同時に、外交の力によって、日本にとって望ましい安全保障環境を創り出し、脅威の出現を未然に防ぐ、いわば「戦わずして勝つ」ことが極めて肝要です〉(「日経ビジネス」2023年3月7日配信)

 中台関係という我が国にとっても重大なリスクに対し、“外務省の軍師”は「戦わずに勝つ」を貫けるのか。

デイリー新潮編集部

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