「私は3歩目からだったが、大谷は1歩目からトップスピード」 世界の盗塁王・福本豊が語る大谷翔平の盗塁のすごさ
「“不名誉”な数字にピリオド」
前人未到の「50本塁打50盗塁」を成し遂げたドジャースの大谷翔平(30)は、日本人選手初となる「トリプルスリー」も達成した。が、プレーオフ進出を決めたチームは苦しい台所事情を抱えており、それもあって目下、“不協和音”が生じているのだという。【前後編の前編】
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現地時間の9月19日、敵地でのマーリンズ戦に「1番・DH」で先発出場した大谷は、3打席連続本塁打を含む6打数6安打10打点2盗塁と“爆発”。大記録を樹立しただけでなく、一気に「51-51」まで到達したのだった。
「大谷自身、3打席連続アーチは初めてでした。50号を打ったことでショーン・グリーンの球団記録(2001年)を塗り替えました。また年間長打数も91となり、23年にフリーマンが達成した記録を抜いています」(メジャー担当記者)
1試合10打点も球団新であり、打点王争いでも抜きん出た格好。まさしく記録尽くしの試合だったのだが、一方でこんなデータも。
「19日の勝利でドジャースは12年連続のプレーオフ進出を決めましたが、大谷にとってはメジャー初出場から865試合目にして初めてのポストシーズン出場決定。この数字は現役のメジャー選手の中では最も長く、そんな“不名誉”な数字にもついにピリオドが打たれたわけです」(同)
「盗塁を楽しんでいるかのよう」
22日の本拠地ロッキーズ戦でも5打数4安打1打点と固め打ちしながら、1本塁打2盗塁をマーク。同日現在「53-55」まで数字を伸ばした。
「この日は2得点し、2001年にイチローが記録した日本人選手最多の127得点を超えました。また盗塁も、同じ年にイチローが記録した56を上回る勢いでした。大記録を達成した19日から4試合で18打数14安打と大当たりで、打率も8月10日以来の3割台に復帰。日本人初のトリプルスリーも現実味を帯びました」
盗塁の元世界記録保持者である野球評論家の福本豊氏が言う。
「昨季までの大谷は出塁すると、『何が何でも成功させなくては』という力みが見受けられましたが、今季はそれが払拭されて『行ったろう』という強いモチベーションを抱きつつ、まるで盗塁を楽しんでいるかのように見えます。私の現役時代は3歩目からでしたが、大谷は1歩目からトップスピードに乗れる。瞬発力のなせる業です」
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