森保監督が28歳FW「大橋祐紀」を初招集した意味 W杯最終予選「最大の山場」アウェーのサウジアラビア戦にどう臨むか

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 日本サッカー協会は10月3日、26年北中米W杯のアジア最終予選、第3戦のサウジアラビア戦(ジェッダ・日本時間11日午前3時)と第4戦のオーストラリア戦(埼玉・15日午後7時35分)に臨む日本代表27名を発表した。【六川亨/サッカージャーナリスト】

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 9月の中国戦とバーレーン戦のメンバーからほとんど変更はなく、9月に代表へ復帰した三笘薫(ブライトン)と伊東純也(スタッド・ランス)のほか、キャプテンの遠藤航(リヴァプール)、バーレーン戦で2ゴールの守田英正(スポルティング)、久保建英(レアル・ソシエダ)や堂安律(フライブルク)、上田綺世(フェイエノールト)ら主力組は順当に選ばれた。

 その一方でJ1リーグの9月14日・福岡戦で右膝のじん帯を傷めた左SB中山雄太(町田)に代わり、瀬古歩夢(グラスホッパー)が、「私の(監督)2期目のスタートのところで招集」(森保一監督)されて以来の代表復帰を果たした(筆者註:23年3月のウルグアイ戦で代表デビュー)。

 さらにFW浅野拓磨(マジョルカ)に代わって今シーズンからイングランド2部リーグのブラックバーンへと移籍したFW大橋祐紀が初めて代表に招集された。

 大橋は19年から23年まで湘南でプレーし、昨シーズンは13ゴールをあげて脚光を浴びた。今シーズンから広島に活躍の舞台を移し、22試合に出場して11ゴールを決め、広島の優勝争いに貢献。その活躍が認められシーズン途中に初の海外移籍を果たした。そして開幕から3試合連続ゴールなど、公式戦10試合5ゴールの活躍で今回の初招集につながった。

大橋祐紀は“トライアル”の10日間

 すでに28歳の円熟期にあるストライカーだが、森保監督は、

「同じ力を持っているのであれば若い力を招集したかもしれない。ワールドカップとその先を見据えての招集からすれば、なかなかなかったこと。いろんな選手を知って欲しい。若手であれベテランであれ、結果を出し存在感を発揮していれば招集される」

 と選手の招集は実力主義であることを強調した。

 大橋がいきなりアウェーのサウジアラビア戦やホームのオーストラリア戦で起用されるとは考えにくいが、どれだけ森保ジャパンの戦術や約束事を短期間に吸収できるか。トライアル期間の10日間と言えるだろう。

 さて試合に関して言えば、「前回も同じタイミングで試合をした」と森保監督が振り返ったように、第3戦のアウェー・サウジアラビア戦が今予選の最大のヤマ場となることは間違いない。

 3年前の21年10月7日の試合では、MF柴崎岳のCB吉田麻也へのバックパスを、カタールW杯にも出場したFWフィラース・アル=ブライカーンにカットされて決勝点を奪われた。

 しかし現在のサウジアラビアは、国内リーグにクリスチアーノ・ロナウドを筆頭に世界各国のスター選手が集結、外国人選手の出場制限がないため自国の代表選手はベンチに追いやられ、実戦経験の不足からくるコンディション不良を指摘する声もある。日本が実力通りの力を発揮できれば勝点3を持ち帰ることも、そう難しいことではないだろう。

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