「自民党の寛容さって、どこへ行っちゃったんだろうね」 新総理「石破茂」がカレーを頬張りながらこぼした“本音”
「私が口を閉ざしたらどうなるんですか」
認知度も人気も高まり、世論調査では常に「総理候補」として名前が取り沙汰されるようになっていく。しかし、それでも総理総裁への道は、まだ遠かった。
18年、3度目の総裁選は安倍晋三首相との一騎打ち。もちろん安倍氏の勝利だったが、この時、相当数の議員票が石破氏に流れたということで起こったのが、俗に言う「カツカレー事件」である。すなわち安倍陣営でゲン担ぎのカツカレーを食べたのに、石破氏に投票した議員は誰だ、という“食い逃げ犯”探しが行われたのである。
なんとも息苦しいばかりの当時の党内状況について、無役となった石破氏は、議員会館でカレーを食べながらこんなふうに語ってくれた。
「自民党の寛容さって、どこへ行っちゃったんだろうね」「この党では意見を言うことが、相手を批判したり、侮辱することだとされ、誰も何も言えない状況。私が口を閉ざしたらどうなるんですか」
かくして口を閉ざさず、総裁選の敗北をもう一度乗り越えて、ついに石破氏は総理総裁の椅子を手にしたのである。