「自民党の寛容さって、どこへ行っちゃったんだろうね」 新総理「石破茂」がカレーを頬張りながらこぼした“本音”

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「よって石破茂君を本院において内閣総理大臣に指名することに決まりました」

 額賀福志郎衆院議長(80)がそう言うと、議場の最奥部に座った石破茂氏(67)はすっと立ち上がり、周囲の議員に向かって、1回、2回、3回、4回、深々と頭を下げた。10月1日午後2時14分、こうして石破茂政権は発足したのである。

 議員になって38年、総理総裁の椅子に挑み続けた彼は、この瞬間に何を思ったのか。再び席に着いたとき、しばらくは表情を変えず、誰とも目を合わさず、自問するように何度もうなずいていた。

当時最年少の29歳で初当選

 石破茂首相が初当選した1986年7月の総選挙は第2次中曽根康弘内閣の時だった。大正生まれの中曽根はもとより、明治男の三木武夫や福田赳夫もまだ現役の時代。当時最年少の29歳で当選した彼は、間違いなく「坊や」扱いだったろう。

 そんな石破氏は、地元での人気は高く、選挙には勝ち続けた。一方で、得意とするのは「票につながらない」ことで定評があった安全保障の分野。今とは異なり、冷戦期は、この分野に関心があると口にした政治家は、「タカ派」「危ない奴」とレッテルを貼られるのが常だった。

 それでも、冷静で丁寧な語り口、そして「オタク」ぶりなどで全国的な知名度を得ることとなっていく。

突然の撮影依頼にも“太っ腹”

 趣味の中で最も有名なのは、鉄道だろう。

 2013年12月、秋田での行事の帰り、寝台特急「あけぼの」に乗り込んだ石破氏。「(翌年廃止の『あけぼの』に)何としても、執念で乗ろうと思っていました」と鉄道オタク全開で語ってくれた。

 この時の彼のポストは、2度の総裁選出馬を経験した幹事長。それなのに突然の撮影依頼にもフランクに応じてくれた。メディアへのサービス精神が旺盛なこともよく知られているところだ。「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!」の年末特番にサプライズ出演したこともある。

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