「女性客からも『推し』『尊い』と言われ…」 ストリップ「素人チーム」リーダーの矜持

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生ビールに焼肉で“充電”

 毎日の公演後にメンバーと飲みに繰り出し、生ビールに焼肉で“充電”する様子をSNSにあげている。それに呼応するようにファンも応援サイトを立ち上げた。メンバーおそろいの赤いシャツをつくり、「会員」となってくれた常連に渡している。「私はなんでも一番が好き。ハニトラを続けて、素人ストリップの一番にしたいんです」。

 シアター上野で11月公演が決定したほか、神奈川県大和市の「大和ミュージック」への出演の話もあるとか、ないとか。今後は全国津々浦々をまわっていくツアーもその先にあるかも知れない。私生活では若い頃、死産というつらい経験もした。現在、独身一人暮らし。

「昭和の良いところは、いまほど便利じゃなかったけど、不便やったり、しょうもないことを愉しむ余裕みたいなものがありましたよね。ストリップも生身のショーですから、生身の、素の自分で楽しんでもらいたいと思うんです」

 最近は自分からメンバーに応募してくるシロウト女性も少なくないが、「あまりにあっけらかんと、はじらいがないのはどうかと思います」とせいかさん。ため口を叩くような若い世代には「それちゃうで」と説教してしまうという。

 シアター上野は楽屋が狭く、何人も入ると三角座りをしなければならない上、冷蔵庫もなく、ケーキなどの差し入れは保管できない。それでも、楽日に瓶ビールのワンケースと大盤振る舞いの差し入れがあると嬉しく、盛り上がるという。

 168センチの長身はボクササイズなどの鍛錬で引き締まっている。話を聞く場所を居酒屋に移し、生ビールのジョッキを空けていく様も若々しく意気軒高だ。さらにカラオケまでハシゴし、マイクを握ると、山口百恵をメドレーで歌ってくれた。「横須賀ストーリー」「イミテイション・ゴールド」「プレイバックPart2」と声が張り、ちょっとドスの効いた歌い方が格好良い。百恵と同じく複雑な家庭で育った自らの少女時代に思いを馳せているような面持ちであった。

 ストリップは常連客もその素性を明かすことはなく、あだ名で呼び合う風習がある。栗橋でも「クルクルさん」という常連がヌシのような存在であった。「ハニトラ」の常連たちにも、そういった存在がいるのか聞くと、「ビーチクさん」やパラパラ好きの「パラ男さん」と答えてくれた。「ビーチクさん」は乳首を触られるのが好きだから、そう命名したのだそうだ。呼ばれて微笑む男の顔が浮かんでくる。そうやって、自らを「ハニトラの母」と呼ぶリーダーは男たちを慰め、愉しませているのだろう。

 前編では素人チーム「ハニートラップ」の公演を詳報している。

デイリー新潮編集部

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