【潜入取材】入場料6000円、満席の会場は熱気ムンムン 上野のストリップ劇場「素人大会」は圧巻の臨場感だった

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リボンテープ投げ入れ

 ショータイム中、会場は熱気ムンムン。夜には栗橋からの常連らが訪れて立ち見もでるほどで、ダンサー嬢たちと一緒にパラパラを踊ったり、リボンテープを投げたり、ペンライトを振っていくのだそうだ。

 栗橋の劇場は埼玉県久喜市の端にあり、「日本最北端の劇場」と形容されていた。その客たちが、上野までハニトラを観に差し入れ持参でやって来るというのだからすごい熱量だ。テープを投げる客は彼女たちに「リボンさん」と呼ばれ、役割によって「タンバリンさん」などがいるという。

 上野は栗橋ほど広くないので、リボンはパーンと投げるわけにもいかず、鳴り物も控え目だが、「それでも、うれしいものですよ」とダンサー嬢は言った。

 東京のあちらこちらにストリップ劇場があったころ、浅草の劇場の最前席に座り、かぶりつきで何公演も続けて観ていたところ、「何度見てもおなじだよ」と股を開いた年配の踊り子から言われたものだ、とキャップの常連客は懐かしそうに話してくれた。

「そのときは恥ずかしくて俯くだけだったけど、ここはいつまでいてもいいし、歓迎してくれる。顔を覚えてくれて、親身になることだってできるんだよ」。そうした歓待の気持ちがいきわたり、気持ちの良い、安らぎの隠れ家、居場所のように感じられるのだそうだ。

 2時間15分に及ぶ公演はあっという間に終わりとなった。長い手足で圧巻の本格ストリップを披露した踊り子は、幕の向こうに消える際、「次は5時半からね」と明るく客席に呼び掛けた。それが「ハニトラ」のリーダー・せいかさんだ。

 後編では、「ハニトラ」のリーダー・せいかさんの波乱万丈の半生に迫る。

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