【潜入取材】入場料6000円、満席の会場は熱気ムンムン 上野のストリップ劇場「素人大会」は圧巻の臨場感だった

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ダンサー嬢と気軽に雑談

 ステージは毎回少しずつ違う演出がなされ、入れ替えもないため、正午から夜10時近くまでのオープンラスト。1日4回ある公演をぶっ通しで楽しんでいく常連もいるそうだ。10時間座り通しになるが、外出自由だから、上野の飲み屋街で一杯ひっかけて来てもいいのだ。

 劇場内で売り子から買った缶ビール500円をグビリとやりながら、改めて2回目の公演を最初から眺めた。野球のユニフォーム姿のパラパラダンスが不揃いで、キレキレの動きをする娘がいる傍らで、身体を揺らすだけだったり、動き自体をよく分かっていないのか、隣の動きを目で盗んで手を合わせる娘もいる。このデコボコの感じも「素人大会」ならではのものだろう。

 芸能界でも、80年代のおニャン子クラブは「素人」を売りにしていたし、現在のAKB48や坂道グループも「会いに行けるアイドル」をコンセプトにしていた。ハニトラもその系譜にあるのかもしれない。

 本格的なストリップにレズショーと続いたら、嬢たちがだぶだぶのTシャツに懐中電灯を手にしてステージの袖に立って、その光を客席に向けていく。呼ばれた客が近づいていくと懐中電灯を渡して、自らTシャツの裾に手をかける。客の方が恥ずかしくて、気後れしてしまいそうだが、「いいから」と笑いながら手招きしたり「どこから来たの?」「お友だち?」などと話しかけている。

 大きなサイコロ型クッションを振らせて、出た目によって「ご褒美」がもらえたり、じゃんけんをして、負けるとハリセンが飛んできたりもするゲームもある。

「はじめてですか」と話しかけてくれたダンサー嬢と話した。彼女はダンサーで、ステージのレッスンになると自ら応募したのだという。「一昨日、昨日は自分もお客さんとしてここに来て、チケット買っていた」という。

 猥雑で酒と煙草が立ち込め、欲求丸出しの客から「早く脱げ」などと野次の飛び交った昭和のストリップ劇場から変われば変わるものだ。気軽に雑談してくれるダンサー嬢に缶ビールを差し出すと「さすがに仕事中なんで」と受け取らなかったが、「仕事以外の日だったら」と含みを持たせて、こちらを喜ばせてくれた。

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