「プレーオフで力を発揮するのは“お調子者”」 元メジャーリーガーたちに聞いた「大谷翔平に求められる役割」
大谷に求められるものとは
渡米から7年、大記録を引っ提げて初の大舞台へ挑む大谷。そこで、シーズン中とは勝手が違う戦い方について、プレーオフ経験者に聞いてみた――。
「ポストシーズンは一試合ごとに流れが大きく変わるので、1戦目の入り方が大きなウエイトを占めます」
とは2008年のカブス時代、地区シリーズでドジャースと対戦した福留孝介氏(47)である。メディアやファンを含め、球場全体が独特の高揚感に包まれるといい、
「選手たちも普段よりハイテンションで、打席に入る時もピリッとします。短期決戦になると、両チームとも調子のいいピッチャーからどんどん投入してきます。それでも故障が多かったりコンディションが思わしくなかったりすれば、どうしても打ち合いになる。その時、どれだけ打線に勢いをつけられるかが大谷選手に求められている部分ではないかと思います」(同)
「1カ月は長い」
また05年にホワイトソックスでワールドチャンピオンに輝き、07年にはフィリーズで地区シリーズに臨んだ経験を持つ井口資仁氏(49)は、
「“負けたら終わり”のトーナメントでは、チームの勢いが何より重要になってきます。シーズン中とは異なり、個人成績は全く関係なくなる。チーム一丸となってワールドチャンピオンを目標に進んでいくのです」
そう前置きしながら、
「私はメジャー1年目の05年にポストシーズンを経験しましたが、162試合が終わったと思ったらすぐにプレーオフが始まり、短期決戦とはいえ1カ月は長いと感じたものです。試合では、シーズン中よりいっそう自分の役割を意識させられました。私の場合は“つなぐ”ことだったので、ともかく仕事を果たそうと打席に立っていたのを覚えています」(同)
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