「プレーオフで力を発揮するのは“お調子者”」 元メジャーリーガーたちに聞いた「大谷翔平に求められる役割」

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“ヒリヒリする9月を”の悲願

 9月26日(現地時間)、ロサンゼルス・ドジャースは3年連続の地区優勝を決めた。メジャー7年目の大谷翔平(30)にとって初めてのプレーオフに突入する。レギュラーシーズンとは大いに様相を異にする短期決戦。かつて臨んだ選手らに「戦い方」を聞くと……【前後編の前編】。

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 19日に前人未到の「50本塁打50盗塁」を達成した大谷は、その後も記録を伸ばし続け、今季最終戦となった29日の敵地ロッキーズ戦では1盗塁。「54-59」で移籍1年目を締めくくった。

「打率は3割1分と、惜しくもパドレスのアラエスには届かなかったものの、日本人選手初のトリプルスリーも達成。2年連続の本塁打王とあわせ、130打点で“二冠”となりました。チームも呼応するように最高勝率でシーズンを終え、プレーオフで第1シードを確保。すべての試合でホームフィールドアドバンテージを得られることになりました」(メジャー担当記者)

 古巣のエンゼルス時代から“ヒリヒリする9月を過ごしたい”と、プレーオフ進出を待ち望んでいた大谷の悲願が、ついにかなったわけである。

先発投手陣が不安材料

「ドジャースはパドレスと今月5日から地区シリーズを戦うことになります。5試合制で3戦先勝すると13日からのリーグ優勝決定シリーズに進み、ここで4勝すれば、25日から予定されているワールドシリーズでア・リーグ覇者との対戦になります」(前出記者)

 最終戦までもつれれば、“世界一”が決するのは11月2日。ステージの異なる短期決戦を立て続けにこなすため、シーズン中とは戦略や気構えも大いに変わってくる。メジャーリーグ研究家の友成那智氏が言う。

「現在のドジャースは、何といっても先発投手陣が不安材料。グラスノー、カーショー、ストーンといったエース級を故障で欠く中、ロバーツ監督は先日、プレーオフでの先発ローテーションをフラハティ、山本由伸、ビューラー、ナックの四人で回すと明かしました」

 それでも、

「右肩痛から復帰した山本は28日、打線が非力なロッキーズ戦で5回2失点を喫し、投手コーチからフォームの指摘を受けるなど不安定さが目につく。また元エース格でトミー・ジョン手術明けのビューラーも、防御率5点台と本来の調子を取り戻せていない。投手戦による2-1や3-2といった最少失点差での勝利は見込めないため、ドジャースが勝ち上がるには打ち勝つ試合運びが重要になると思います」(同)

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