中日新監督人事で「落合さんに頭を下げた」怪情報が意味するもの 井上新監督の意外な“評判”と中田翔という“難題”

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落合氏でも観客動員に影響なし

 2011年もリーグ優勝を果たしての退任だった。

「当時、事実上の解任に追い込まれた理由は、勝っても観客動員につながらなかったことでした。しかし、今はチームが低迷していてもファンは集まってきています。その点で球団が落合さんの要請に至ったとしても、何ら支障はなかったはずです」(古参のチームスタッフ)

 ほとんどの球団が今季も観客動員は好調だ。中日は3年連続最下位の危機にあっても例外ではない。新型コロナウイルス禍が明け、モノ消費よりコト消費が優位となった時勢や、SNSで選手や野球の存在が身近になったこと、そして大谷翔平(ドジャース)による野球熱の高まりなどが要因に挙げられており、活況は名古屋でもしばらく続きそうだ。かねて中日では「(「ミスタードラゴンズ」だった)立浪監督ではなく、誰が監督になっても集客には苦労しないだろう」とみる向きは少なくないのだ。

 他球団の監督人事に目を移すと、阪神の岡田彰布監督は昨季、セオリー重視の「普通の野球」で就任1年目にして日本一に。今季も終盤まで優勝を争っての僅差の2位となった。

 岡田監督招聘時、球団は当時の平田勝男2軍監督(現ヘッドコーチ)の昇格案を固めていた。しかし、阪急阪神ホールディングスの角和夫会長が岡田監督を推したことで一本化された。

1軍と2軍は違う

「はっきりとモノを言う岡田監督が『選手ファースト』に慣れ切った選手たちが受け入れられるかどうかは当初、不安視されていました。しかし、結果を見れば杞憂でした。岡田監督の成功は選手に気を使ってばかりでは好成績が望めないということを示し、角会長の選択は英断となりました。派手さはなくても当たり前のことを積み重ねて優勝する。これは落合さんのオーソドックスな野球も同じです。中日のオーナーが直接要請したかどうかはともかく、球界に原点回帰の流れが生まれてきた中で、トップに落合さんを呼び戻したいという思いがあったとしても不思議ではありません」(NPB球団元監督)

 井上氏は選手の意欲を高める「モチベーター」として優れていると評判だ。今季はウエスタンリーグでチームをソフトバンクと優勝争いしての2位浮上に導いた。今の時代の選手にマッチした指揮官として期待が持てそうなのだが……。

「育成メインの2軍で結果を出したからといって、勝負が全ての1軍でも同じように結果が出せるとは限りません。立浪監督は(選手時代の)実績があるからこそ、選手たちは指導に従おうとしていました。実績という意味で井上氏は立浪監督に遠く及びません。力がある選手ばかりならモチベーションを上げるだけでチームががらっと変わることはありますが……。投打に一本立ちできていない選手が多い中日で、他に(指導や采配の)引き出しを持っていなければ、壁にぶち当たることでしょう」(元監督)

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