「イッテQ」復帰の手越祐也と東出昌大の意外な共通点 「イジられるイケメン」枠の需要が増加

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 「世界の果てまでイッテQ!」(日本テレビ系)のメンバーだった元NEWS・手越祐也が、ついに番組に復帰することを報告した。このタイミングで手越に白羽の矢が立った理由とは?【冨士海ネコ/ライター】

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「世界の果てまでイッテQ!」の人気メンバーだった元NEWS・手越祐也さんが、ついに番組に復帰するという。内村光良さんや宮川大輔さんとの軽妙な掛け合いが好きだった視聴者も多いことだろう。度重なるスキャンダルで旧ジャニーズ事務所を退所した身ながら、SNS上では「手越復帰」がトレンド入りするなど歓迎ムードがあふれている。

 2020年には退所にあたって会見を開いた手越さんだが、コロナ禍で緊急事態宣言が発令された「ステイホーム」期間中に、何度も飲み歩いていたという行動は批判を浴びた。店には女性を呼んでいたことも報じられ、「未来の夢のため」「ボランティアの話」と釈明したものの、どこまで仕事の話だったのか、外野には分からない。かつて有名アイドルグループのメンバーとのプライベートの様子も複数回撮られた身だけに、かえってその「チャラい」キャラのうさんくささが増してしまったように見える。

 でも「イッテQ」での手越さんが人気だったのは、その「チャラ男」キャラを巧みな編集とナレーションでイジり倒してくれていたからだ。時には内村さんが締め、宮川さんがうまくとりなし、「生意気だけどかわいげもあり、やる時はやる男」という印象に着地させていた。手越さんがレギュラーとして活躍していた頃の視聴率は、最高で20%近くになることも。2018年まで4年連続のトップ視聴率をたたき出していた立役者の一人といってもいいだろう。

 しかし今や、世帯視聴率は10%を割るほどに低迷。今年に入ってから「イッテQ!新メンバー発掘プロジェクト」が行われたり、ジャニーズ枠からはなにわ男子の大橋和也さんが投入されたりするなどのテコ入れも見られたが、手越さんほどのイジりがいのあるキャラはいなかったと言わざるを得ないのではないか。

 問題は、誰でもイジればいいというものではない点だ。令和の今、特に女性芸人を昭和・平成時代の感覚でイジると大問題になる。

 だからこそ、手越さんにもう一度白羽の矢が立ったのだろう。ルッキズムとコンプライアンスの問題に悩むテレビ業界が求めているのは、芸人感覚でイジれるイケメンだ。東出昌大さんの再評価、自民党総裁選出馬時の小泉進次郎ブーム。そう、今テレビの視聴率を取り戻すのは、彼ら「ビッグマウス」キャラなのではないか。

東出さんや進次郎氏との共通点 チャラそうに見えて体育会系の一面も

 東出さんや進次郎氏と手越さんの共通点。それは鈍感さスレスレのタフなメンタルである。学習しないというか、同じ過ちを繰り返す。東出さんや手越さんなら女性問題だし、進次郎氏はあれだけ言葉尻を揶揄されても自信満々にしゃべることをやめない。手越さんに至ってはその人当りの良さが災いしてか、2016年に起きた金塊強奪事件の容疑者や、2020年にボートで死亡事故を起こした人間との写真が流出した。周囲はヒヤヒヤしていても、本人たちはどこ吹く風だ。それどころか、訳の分からない持論を大真面目に繰り出し、どこか自分の雄弁さに酔っているようなナルシシズムが見えるところもよく似ている。

 でもその自己肯定感の高さこそ、現代人が一番失いがちなもの。だから根拠のない自信でも堂々としている彼らに、不思議と引きつけられてしまうのかもしれない。

 また意外と体育会系というのも共通点である。進次郎氏は関東学院六浦高まで野球一筋で、高3の時には野球部副将経験も。東出さんは剣道一家に育ち、高校も剣道の強豪校に進学している。手越さんはサッカー好きで有名で、サッカー番組のメインキャスターに抜てきされたこともあった。中学まではJリーガーを目指すほどにのめり込んでいたという。芸能界に入った後も、業界人が集うフットサル大会で活躍していたようだ。

 甘いマスクでカッコつけだが、意外と男性から嫌われない。それは体育会系というコミュニティーで最も必要とされる、「バカで憎めない後輩」という勘所を体得してきたからではないだろうか。それは、今も男性が実権を握ることが圧倒的に多いテレビ業界でも、優位に働くに違いない。

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