大ヒット「極悪女王」の脚本料は地上波の「5倍」 テレビドラマに圧倒的な差をつけた「エキストラ」の数と質

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初登場週間1位

 壮絶な女子プロレスの世界を描いたNetflixの配信ドラマ「極悪女王」が、日本のテレビ部門で初登場週間1位(9月16~22日集計)を記録しドラマ業界を沸かせている。昭和の時代に極悪レスラーとして名を馳せたダンプ松本の半生を描きながら、その時代の雰囲気をノスタルジーあふれる映像で再現した。(※以下、ネタバレを含みます)

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 日本国民を敵に回した「極悪同盟」のダンプ役にはゆりやんレトリィバァ、その美貌と躍動感で日本中を虜にした「クラッシュギャルズ」の長与千種役には唐田えりか、ライオネス飛鳥役には剛力彩芽。3人とも専属トレーナーから長期間の指導を受けながら肉体の増強とプロレス技の習得を行ったというから本格的だ。

 配信ドラマに詳しい放送ライターが過激な描写についてこう話す。

「水着1枚で肉弾戦を繰り広げるゆりやん、唐田、剛力の演技は集中力が高く、殺意を感じるほどの迫力です。凶器を使うゆりやんの反則攻撃は容赦なく、長与役の唐田の額にフォークを突き刺して流血させ、首をチェーンで締めるシーンは正視できないほど。

 劇中でも『流血試合に苦情殺到』とテレビ局員が慌てるシーンが登場しますが、現在の地上波では絶対に無理な描写です。それでも、ダンプ松本の残酷さより、反則を繰り出すしかなかったダンプの心の叫びが、前景化されているところに白石和彌監督の確かな手腕を感じます」

 白石監督と言えば、アウトローの世界を描くことに定評があり2013年に凶悪殺人ドキュメントを題材とした映画「凶悪」で映画賞を総ナメして注目を集めた。

 Netflixの日本ドラマ部門で7月下旬から6週連続で1位を独走した「地面師たち」(大根仁監督)のナレーションを務めた俳優の山田孝之、法律屋役のピエール瀧、刑事役のリリー・フランキーはそろって「凶悪」に出演しているため、「凶悪」と「地面師たち」に同じ不穏さを感じる視聴者も多いようだ。

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