春季キャンプに垣間見えた「阿部巨人」V奪還の兆候 「和やかムード」の理由は“名物コーチ”が消えたから

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「不徳の致すところ」

 さる巨人の関係者は、今キャンプでチームの雰囲気が和やかな理由について、こう別の事情を語る。

「昨季、打撃チーフコーチを務めていた“デーブ”こと大久保博元さん(57)がいなくなったからです。デーブさんの根性論者ぶりは阿部さんどころではなく、さらに、監督を務めていた原辰徳さん(65)のほうばかりを向いて、選手にはつらく当たっていました。皆から総スカンだったといえます。今季はそんなデーブさんがいなくなり、チームが明るくなったのです」

 当のデーブ氏本人に話を聞くと、

「私が原さんのほうばかりを向いていて、皆から嫌われていたという声があるのなら、それは不徳の致すところです。今、57歳にしてようやくこの言葉を本気で使えるようになったと思っています」

 と、殊勝に語るが、

「以前、ある大企業の経営者からこんな話を聞いたことがあります。工場長の下で働く副工場長には、皆から嫌われるタイプの人材を配置するのだと。やはり組織には嫌われ役の管理職が必要で、そのような人材によってトップが守られることで、業務全体がうまく回るのだそうです。去年、打撃チーフコーチだった私が原監督の代わりに嫌われていたのなら、それは職責の上では成功だったのではないでしょうか」

 今のところ“嫌われ役”がいない新生阿部巨人。さて、これが吉と出るか凶と出るか……。

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 この記事から7カ月、見事巨人はV奪還を果たした。「嫌われ役」の不在は今のところ「吉」と出ているようだ。阿部監督は16日から始まるクライマックスシリーズで、日本シリーズ出場を懸け、阪神とDeNAの勝者を迎え撃つ。

デイリー新潮編集部

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