「人妻の不倫」小説にワクワクしたことも 石破茂新総理が明かした意外な「お気に入りの本・映画」

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 石破茂新総理の人柄を語るにあたり、よく取り上げられるのがさまざまな「趣味」「好きなもの」である。カレー、ラーメン、鉄道、アイドル(キャンディーズ)、プラモデル等々。いずれも本人も認めているのでウソではないものの、これではまるでわんぱく坊やの好きな物ばかりが並んでいるという印象は否めないのではないだろうか。

 しかし石破氏は還暦をとうに過ぎた大人。カレーやキャンディーズはメディア向けのサービスという面もあるようだ。そもそも宴会に顔を出すよりも読書を優先していたというエピソードを持つ読書家でもある。

 では最近の石破氏が何に夢中になっていたのか。ここで紹介するのは2020年5月のインタビューだ。新型コロナの流行により推奨されていた「おうち時間」をテーマに行ったものである。安全保障関連の本とは別に好きな本として挙げられた中には、「人妻の不倫」を扱った名作『美徳のよろめき』(三島由紀夫)や、五木寛之氏の作品など、ちょっと意外なタイトルも。さらにおすすめ映画を聞いてみると、ここでも戦争映画ではなく、意外とロマンチックな作品名が――。

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――新型コロナウイルスによって生活はどう変わりましたか?

 3月末あたりから夜の会合がまったくなくなりました。会食といっても私の場合は、懇談会兼あるいは勉強会兼、といったものでしたが、それらが全部キャンセルになった。

 また週末各地に呼ばれての講演会が7月くらいまで消えてしまいました。党の会議もほとんどなくなりました。

 それでヒマになったかといえば意外とテレビ出演や雑誌の取材が増えました。なぜか女性誌の取材などもあるので完全に時間が空いたわけでもありません。

 ただ、それでも夜9時前には家に帰れるようになり、かなり時間ができたので、本を集中して読めるようになりました。

 大臣や幹事長といった立場の時には、口癖のように「もっと勉強する時間が欲しい」と言っていました。そういう立場を降りた後も、なかなか時間が取れなかったのですが、今回はかなりまとめて本を読む時間ができつつあります。

 とりあえず必要性に迫られて目を通したものや、通そうとしているものは、以下のようなところでしょうか。

『国家安全保障の政治経済学』(吉原恒雄、泰流社)、『パンデミックとたたかう』(押谷仁・瀬名秀明、岩波新書)、『国家権力の解剖 軍隊と警察』(色摩力夫、総合法令)、『軍事法廷 戦時下の知られざる「裁判」』(北博昭、朝日選書)、『アメリカ大統領選 勝負の分かれ目』(大石格、日経プレミアシリーズ)、『知られざる潜水艦の秘密』(柿谷哲也、サイエンス・アイ新書)等々。

 吉原先生の本なんかは何度も読んでいるのですが、もう一度読み返したい、と思って取り出しました。

 夏休み前に気宇壮大な計画を立てて失敗してしまう子供みたいにならないように、とは思っていますが。

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