「主文だけでも証言台で」…「袴田事件」無罪判決が下された歴史的瞬間 91歳の気丈な姉は、背筋を伸ばして裁判長を見つめた
「世界一の姉」が58年間待ちわびた日――。弟・袴田巖さん(88)の代わりに出廷した気丈な姉・ひで子さん(91)は、裁判長の「被告人は無罪」の言葉に涙ぐんだ。1966年6月、静岡県清水市(現・静岡市清水区)で起こった味噌製造会社の専務一家4人惨殺事件。死刑囚となった巖さんと弟を支え続けたひで子さんの闘いを綴る連載「袴田事件と世界一の姉」第46回は、巌さんに再審無罪判決が下った一日を振り返る。【粟野仁雄/ジャーナリスト】
「えっ、そこまで踏み込むか」
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