石破新総理が「天才」と思った女性芸人の名は 「早朝にテレビでネタを見て……」

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 自民党新総裁に選ばれる前のこの数年間、石破茂氏は閑職に追いやられていた。その分時間に余裕があってか、テレビ番組によく出演していたことが、ある種の国民人気を醸成していたという面はあるだろう。

 ここでご紹介するのは、昨年、石破氏の著書がある賞を受賞した際の記念インタビュー。まだ総裁選など視野にも入れておらず、なおかつ岸田前首相が派閥解消を断行する前なのでかなりリラックスして、「最近衝撃を受けた芸人」「バラエティ番組に出る理由」から「派閥論」までを語っている(以下、2023年2月7日配信の記事を抜粋したものです)

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 石破茂・元自民党幹事長の著書『異論正論』が、昨年末、「咢堂ブックオブザイヤー2022」を受賞した。その年の優れた政治関連の書籍を表彰する賞で、国政部門の大賞の1冊として選ばれたとのこと。「咢堂」は、「憲政の神様」と称される尾崎行雄の号である。

 受賞を記念して、石破茂氏に最近の政治について話を聞いてみた。いわば「異論正論」特別編である。

日曜日の朝に衝撃を受けた

――受賞おめでとうございます。

石破:ありがとうございます。前に出した『政策至上主義』も同じ賞をいただいたんですよね。特に賞品があるわけではなくて、賞状をいただくだけだけれども、嬉しいものです。

――先日、「キョコロヒー」(テレビ朝日系)というバラエティー番組に出ていたのを見て驚きました。ヒコロヒーさんのことが好きだと話していましたね(注・放送は1月16日)。

石破:放送日を把握していなかった……。もう放送されたんですね。地方に講演に行った時だったでしょうか、たまたま日曜日に朝早く起きて、ホテルでNHKの「演芸図鑑」を見ていたら、ヒコロヒーさんが出てきたんですね。そこで披露していたネタ(村の生贄)を見て、これは凄い、と思いました。実に面白かった。天才だと思いました。

――そうですか。以前から、バラエティーでも何でも、政治に興味を持ってもらえる機会があれば時間の許す限り出る、とは仰っていましたね。

石破:はい。その番組でもコメントしたように、批判的な意見をぶつけられるような番組にこそ出るべきだと考えています。メディアを選ぶようなことはあまりしないようにしています。

総理が派閥から離れる原則

――そういう場で思ったこと、信じるところを言う方針は変わらないと思いますが、最近は、総理は派閥から離れるべきだ、といった発言が報じられていました。あれはどういう意味でしょうか。

石破:菅義偉前総理がそういうことを仰ったということで、私も意見を聞かれたので、思うところをお話ししました。

 もともとかなり前から自民党では党三役と総理は派閥から離れるというのが慣例になっていました。

 自民党が下野していた時期、谷垣総裁の下でそのような申し合わせがあったと記憶しています。派閥への厳しい世論を考慮したという面もありました。

 その後、政権復帰してからは党三役こそ派閥の長が務めることはありましたが、総理が派閥から離れるという原則は守られてきました。安倍元総理もそうなさっていました。

――素朴な疑問としてなぜ離れなければいけないんでしょうか。世間体ですか?

石破:いや、やはり強い権限を持っていると、どうしても自分の派閥に有利にことを進めたりすることが起こり得るわけで、それは避けねばならない、ということです。

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