「作家本人に面と向かってけなしていた」 “相手と刺し違えるぐらいの気持ち”で批評に向き合った「文芸評論家・福田和也さん」【追悼】
文芸評論家の福田和也さんは、文芸にとどまらず、幅広いテーマについて現実的、本質的に論じることができる“知の巨人”だった。
硬質な評論を発表したかと思えば、音楽、映画、落語、酒などを軽妙に語る。対象は硬軟バラバラなようで、現在の日本を形成してきたものや日本の有りように迫ろうとする姿勢が根底でつながっていた。
1960年、東京・田端生まれ。父親は製麺機工場を経営、生活は豊かだった。
慶應義塾高校時代からの親友で映画史家の伊藤彰彦さんは振り返る。...