“稀代のワル”羽賀研二は汚名返上できるのか 「ヤクザとの関係」で聞こえてきた意外な声とは

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6代目山口組にとって1番の功労者

「タレントがヤクザからカネを借り、そこに司法書士業界のナンバー2が関与してウソの登記をしていた、というのが捜査当局の考えている事件の構図です。しかし、立件のハードルは決して低くないとの見方も浮上しています。6代目山口組が分裂して以降、松山容疑者率いる10代目稲葉地一家は敵対組織の組員4人を殺害しており、6代目側にとって1番の功労者と言っても過言ではないレベル。愛知県警がどんな形であれ10代目稲葉地一家トップの身柄を取りたいと考えるのは自然でしょう。が、羽賀容疑者と松山容疑者の関係の濃淡自体、なかなか見えてこないとも言われています」(同)

 実際、羽賀容疑者と暴力団との関係にはこんな疑問の声もある。

「羽賀容疑者と松山容疑者は20年くらい前の時点で知り合いではあったようですが、深い関係ではなく、LINEやメールのやり取りもなかったと聞きました」

 と、元山口組系義竜会会長の竹垣悟氏(現在は、NPO法人「五仁會」を主宰)。

スルーされていた羽賀容疑者

 2021年9月、沖縄刑務所を再出所した羽賀容疑者は共通の知人を通じ、“あいさつを”と松山容疑者側にアプローチしたが、松山容疑者は取り合うこともなかったとされる。
「さらに2022年秋ごろ、今回の北谷の土地建物を担保に約4億円を融資してくれる人がいないか、関係資料を共通の知人に託したこともあったそうです。松山容疑者から直接融資を引き出したかったのかもしれませんが、全くうまく行かなかったようです」(同)

 結局、羽賀容疑者が借り入れできたのは、松山容疑者の親族からだった。

「松山容疑者本人は取引に関与しておらず、司法書士の野崎容疑者とも全く面識がないとのこと。“どのエリアで活動している司法書士なのか?”と接見した弁護士に尋ねたくらいだったそうです」(同)

 法律のプロである野崎容疑者もまた、今回の取引が合法か否か、弁護士のチェックを入念に受けていたとされる。その点だけで免責されるわけではないが、目下、立件をめぐる攻防が展開されているのは間違いない。羽賀容疑者は“稀代のワル”の汚名を返上し、冤罪の被害者として現れることができるだろうか。

デイリー新潮編集部

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