幻の“中日・井端監督”報道に渦巻く思惑とは? 立浪監督は「やらせたくない」…でも3年後は既定路線

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8月初旬は立浪続投の線も

 プロ野球中日の親会社「中日新聞」系列の中日スポーツの9月27日付のネット記事がチーム・メディア関係者の間で波紋を呼んでいる。同日に2026年ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)まで指揮を執ることが明らかになった日本代表の井端弘和監督(49)を取り上げた解説記事で、今オフにドラゴンズ監督就任の可能性があったことに言及した。名古屋の放送局関係者は「当事者として中日の機関紙がこの手の話を取り上げるのは珍しいことです。恐らく利害関係者たちの何らかの思惑が絡んでいるとしか思えません」といぶかしがり、立浪和義監督(55)が就任した3年前のオフの幻のコーチ人事との奇妙な一致点を挙げた。

 件の記事のタイトルはこうだ。

〈侍・井端弘和監督の続投決定…なぜNPBの動きは迅速だったのか!? プレミア前に延長要請、背景にあった『中日ドラゴンズ監督就任』の可能性〉

 内容としては、代表監督人事を主導する日本野球機構(NPB)が井端監督の当面の任期だった11月のプレミア12の結果を待たずして8月初旬に、内々で同監督に続投要請を行ったという。その背景として「井端監督の中日指揮官就任の可能性を視野に入れていたのは想像に難くない」と書いた。

 さらに「侍ジャパン監督としての契約期間はプレミア12終了までの単年。もし中日が早々にもオファーを出していれば、事態はどう転んでいたかはわからない」「NPBにとってはまさに先手を打つ形」などと、中日で来季から指揮を執ってもおかしくなかったことをにおわせた。

「8月初旬といえば、中日にまだクライマックスシリーズ(CS)進出の可能性が残っており、立浪監督の続投の線は消えていませんでした。確かに中日が表立って新監督探しに動けなかった時期ではあります。その前にNPBが(続投に向けて)仕掛けたという記事で腑に落ちるものはあるのですが……。かつて立浪監督からのヘッドコーチ就任の要請を受けなかったときと理由が酷似していることは偶然なのでしょうか」

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