夫婦の64%がレス…「だから妻は他の男に走った」 自宅に届いた“サプライズ”が壊した46歳夫の幸福

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カードにあったのは…

「そのあと、ひとりでカードを見たんです。そうしたら『美重子へ いつも素敵な時間をありがとう。あなたの美しさほどではないけれどバラを愛でてください R』とあった。Rって誰だよと思いました。Rという誰かが妻に40本の深紅のバラを送ってきたわけです。心穏やかではありませんでした」

 にぎやかな時間が終わり、ふたりで寝室に引き上げたとき、勇作さんはやはり黙ってはいられなかった。Rとは誰なんだ、どういう関係なんだ、きみは家庭を守る主婦であり母であり、なによりオレの妻なのに他の男に心を移していたのか、と。

美重子さんの反応は…

「妻はにっこり笑いました。妙にきれいな笑顔だったのを覚えてる。『私はあなたと違って、浮気なんかしてないわよ』と一言だけ。僕が一夜の関係を繰り返していたのを、妻は知っていたんですね……。なんだか妻に監視されていたような気がした。僕の母親がそういう人だったんですよ。僕のことはなぜか何でもバレている。学校で友だちとケンカして負けてみじめな思いをして帰ったとき、そんなことは親には言いたくない。それなのに母親は知っていて、わざとらしく慰めてくる。あなたが悪いわけじゃない、あなたはいつでも正しいんだからって。妙な自尊心だけ植えつけられ、それが大人になってからも尾を引いていた。そこを妻に刺激されたような気がしました」

 妻にそんな意図があったとは思えない。むしろ、愛情表現の足りない夫に嫉妬してほしかったのではないか。筆者は、その花束は妻が自らに送ったのではないかとさえ思った。

「そんなことは考えたことがなかった」

 彼はそう言って頭を抱えた。あの花束が発端となって、彼は突然、「何もかも嫌になった」と言う。

 ***

 急な展開によって、勇作さんが直面した中年の危機――。それを脱出した方法は【後編】にて。

亀山早苗(かめやま・さなえ)
フリーライター。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。

デイリー新潮編集部

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