ドラフト候補・慶大「清原正吾」の“守備”は「プロでも全く問題ない」 通算306本塁打のレジェンド打者が太鼓判 では“長打力”開花の条件は?

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理想は育成枠

 複数のスポーツに挑戦すると相乗効果が生まれ、一つのスポーツだけを集中的に習うよりレベルアップできると専門家も指摘している。

「しかし清原選手は『アメフトと野球をやっていた』わけではありません。中学と高校の6年間、全く野球をやっていないのです。そんな大学生が野球部に入り、3年生でレギュラーの座を勝ち取るなど、長い東京六大学野球の歴史でも皆無でしょう。失礼かもしれませんが、東大野球部ならあり得るかもしれません。しかし他の5大学では無理なはずなのです。まして清原選手は4番を任され、ベストナインにも選ばれました。よく大谷選手の二刀流を『不可能を可能にした』と言いますが、実は清原選手も同じくらいの奇跡を起こしたのです」(同・広澤氏)

 この異常な“成長率”をプロの世界でも実現できると判断する球団が現れれば、清原選手がプロに進む可能性が出てくる。とは言え、あくまでも今の清原氏は“原石”に過ぎない。ドラフト会議で指名されなくても当然のレベル──というのは前に見た通りだ。

「清原選手は典型的なプルヒッター(強く引っ張る打者)です。そのため外に逃げる変化球が苦手という弱点があります。特に4年生の時は逃げる球に苦しみ、打撃全体の調子を崩すこともありました。この弱点を克服し、長所をプロで開花させるためには、まず優れた指導者に巡り会う必要があります。さらに長期的な視野に立ってくれる球団が理想的でしょう。育成枠で入団し、4軍や3軍でじっくりと育てられるのが、清原選手にとってはベストな環境だと思います」(同・広澤氏)

西武や日ハムに期待する声

 広澤氏は「ご存知ない方も多いかもしれませんが、清原選手の守備は全く問題がないのです」と言う。定位置はファーストだが、サードや外野を守った経験もある。

「清原選手の守備は動きが俊敏で、こちらはプロ入りのレベルに達していると思います。また晴れて入団できれば、体が大きいことは有利に働くでしょう。ただし、プロに入って才能が開花しても、お父さんのような強打者、スラッガーになるとは思っていません。『大きな当たりも打てる右バッター』というイメージが浮かびます」(同・広澤氏)

 清原和博氏は西武、巨人、オリックスの3球団でプレーした。とはいえ、やはり西武時代のイメージが最も鮮烈なようだ。Xで「西武は清原選手を獲得しないのか」という声は相当な数に達している。他には新庄剛志監督が育成に長けているという理由から日ハムに期待するファンもいるようだ。

デイリー新潮編集部

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